気付きましたか?
次の日、今日はおじ様まで巻き込み、再びタルボット伯爵家へ向かいます。
昨日のうちにタルボット家にも連絡をして当主同士の了解も取りました。
「いや~友人に娘を紹介出来るなんて、嬉しいな~」
おじ様は全てを知ってか知らずか何だか楽しそうです。
ヴォルフ様は苦笑いしながらも、何も心配していない様子です。
反対にマリウス様の方が落ち着きなく見えます。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
応接室で、タルボット伯爵と夫人と対面します。
「ギルバートよく来てくれた」
「急にすまないなエリオス
今日はどうしてもお前の家族にも報告をしたくてな」
「それは隣にいる美しいお嬢さんのことかな?」
とエリオス・タルボット伯爵が私に微笑みます。
私もお辞儀しながら、微笑みます。
夫人もニコニコしながら、頷いています。
「実はヴォルフがやっと婚約者を連れて来てね。
ヴォルフ、お前から紹介しなさい」
「お久しぶりです。エリオス様、この度ラフォール侯爵家のアンジェリーナ嬢と婚約いたしました。
私共々末長くお付き合い下さい」
「ラフォール侯爵家のご令嬢でしたか、それは素晴らしいご縁だ。
ヴォルフおめでとう
それでギルバート、次期当主はヴォルフに決めたのかい?」
「ああ、ヴォルフも了承してくれたからな」
「そうか、それは二重に目出度い。
いや~よく知らせてくれた。
お隣さんの幸せを分けてもらって嬉しい限りだ」
コンコン
その時ドアをノックする音が聞こえました。
「お父様、お呼びですか?」
ニーナ様が入ってこられました。
中にいる私達を見て、昨日よりも青ざめて立ち尽くしています。
「ニーナ、こちらに来て挨拶しなさい」
タルボット伯爵にそう言われて、仕方なく近くまで来てしっかり挨拶をしています。
「やあニーナ、もうすっかり年頃の令嬢になったね。
実は今日はヴォルフと婚約者のアンジェリーナを紹介しようと思ってね」とおじ様がいいます。
「… え?」
ニーナ様は1拍置いて、顔を上げました。 一瞬間があったのは、理解するのに時間がかかたからですね。
そうですよね、自分の思い込みと違う事実を知らされたのだから。
「ヴォルフ様が… 婚約なさ…った…のですか?」
「ああ、ヴォルフのやつ、やっと婚約者を連れて帰って来てくれてね。
しかもこんなに可愛くて、気が利く娘が私にも出来るんだよエリオス」
その後、ソバの話を始めて話が止まらなくなっているおじ様。
変な自慢で興奮しているおじ様、ちょっとかわいいと思ってしまいました。
そして、そっとニーナ様の様子を見てみると、顔を真っ赤にして頬を手で押さえていました。
やっと自分の勘違いのやらかしに気付いた様子です。
ヴォルフ様とマリウス様を見るとそんなニーナ様を見ながら苦笑いしています。
ははは、私も笑うしかありません。




