ヴォルフ様の帰還
ニーナ様が部屋を飛び出して行ってしまったので、仕方なく伯爵家を後にしました。
結局、何も分からなかったけど決して冗談やいたずらではないと言う事だけはわかりました。
だって、あんなに真剣な顔で手まで震える程緊張している人がふざける訳ないでしょうから。
「はあ わざわざ出向いたのに、結果を出せずごめん。
夕方にはヴォルフ兄も帰って来るから、話を聞いてみようよ」
「そうですね。 あっ、でも他の方達には内緒で。
心配を掛けたくありませんから」
「わかった。ではヴォルフ兄が帰って来たら、僕の部屋で話をしよう。
僕が声をかけるよ」
と提案してくれました。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
マリウス様は予定より早く帰って来たヴォルフ様に領地の事で報告があるから部屋で話そうと誘いました。
汗を流し着替えたヴォルフ様はマリウス様の部屋へやって来ました。
部屋に入って私がいたので、ちょっと驚いているヴォルフ様。
「アンジェ? 君もよばれたのか?
領地の事ってソバについてなのか?」
そうマリウス様に話しています。
話しながらもヴォルフ様は私を気にしています。
そうですよね。ヴォルフ様が帰ってきた時も少し態度がよそよそしくなってしまって…。
普段のように話せませんでした。
ヴォルフ様が気にしていたのは知っていたけど、あえて2人っきりになるのを避けてしまいました。
だって2人になったら何を口走ってしまうか分かりません。
今更ながらにマリウス様がいてくれて良かったです。
今の私は何とか平静をたもっています。
「ごめんヴォルフ兄。
話は領地の事じゃないんだ。
アンジェリーナ嬢とヴォルフ兄の一大事だよ」
「なんの事だ? アンジェ何かあったのか?
それで何か様子がおかしかったのか?」
とても心配そうに見つめるヴォルフ様を見ていると、到底浮気したり、二股を掛けているようには見えません。
やはりニーナ様の勘違いでしょうか…。




