突然の出来事
ドレスを作りに行った日から数日後、今日は皆さんが出払っていて、静かな日です。
お母様とエリノア様は隣の領地に来ている演劇の公演を見に行っています。
私も誘われたのだけど、読みたい本があったので、ご遠慮しました。
マリウス様とおじさまはカーラの実家の村に視察に行っています。
今、ソバの実があるのはカーラの村だけですからね。
おじさまが視察に行ってしまったので、ヴォルフ様が代わりにランドルフ様と騎士団と演習に出かけてしまいました。
と言う訳で、1人のんびり読書をしています。
庭のガゼボでエマにお茶を入れてもらいながら、本を開いていると執事長が慌ててやって来ます。
「アンジェリーナ様、少しよろしいですか?」
「どうかしました?」
「実はアンジェリーナ様にお会いしたいと、タルボット伯爵令嬢のニーナ様が来られているのですが…
先日奥様からご紹介頂いて、顔見知りだから是非取り次いでほしいとおっしゃられて…」
「まあ、ニーナ様がですか?
確かにこの前お会いしたわ…
皆さんの留守の時に勝手していいのであれば、こちらで一緒にお茶をしますわ」
そう提案すると、執事長はホッとしたように、お願いします。
と言ってニーナ様を迎えに行きました。
あの様子だと、ニーナ様はずいぶん無理を言ったのでしょう。
私に何の用かしら?
果たして、現れたニーナ様はちょっと思い詰めたようなお顔をされて少し緊張しているようです。
「こんにちはニーナ様。
今日は生憎皆さん外出しているのよ」
「突然、押しかけまして申し訳ありません。
アンジェリーナ様にご相談がございましたので、お会いして頂けてうれしく思います」
さっそく、お茶をお出ししてエマ達にも人払いをお願いしました。
ちょっと不安はあるけど、ニーナ様の様子を見るとまわりに人がいない方が良さそうだと思いました。
「今日は何か私にお話でも?」
そう言うと今までうつ向いていた顔を上げて意を決したように
「お願いです。婚約を取り消してくださいませんか?
私のお慕いするあの方を返してください!」
そう言って頭を下げられました。
!?
えーと、ちょっとの間頭が真っ白です。
婚約を取り消せ?
え? ニーナ様はヴォルフ様と何かあったと言うこと?
お慕いするあの方って事は、ニーナ様の片思い?
それともお互い想い合っていた事があったとか?
今でも本当はお互いにおもってるとか?
では私の事は?




