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みんなで頂きます

「今、マリウスから今日のお昼はアンジェリーナ嬢のお手製と聞いたよ。楽しみだ」


「お口に合えばいいのですけど」


そう言って席に着くと、お母様達もやってきました。


全員が席に着くと、直ぐに料理長自ら執事たちと一緒に料理を運んできました。


「本日はアンジェリーナ様が考案なさいました料理をいくつがお出し致します」


「あら? アンジェが?」

お母様が意外とばかりに言います。


そうですよね~ 家ではコーヒーを入れるとか、お菓子を作る事はしても、そこまで料理に詳しいのはおかしいと思われるでしょう。

えーと言い訳、言い訳を。


「このところ、学校でクラリッサ達と他国の料理や食材を調べてレポートを作っていたんです。

それで今日お出しするソバの実の話を聞いておりまして…」


私は何とかソバを知っている理由をこじつけて、マリウス様の研究話を聞いて感銘を受けた。

何かヒントになるのではと料理長に協力してもらったと説明しました。


「うーん。綺麗で気立てもいい上に、嫁ぎ先の事まで配慮できる嫁とは、ヴォルフは幸せ者だ」

とおじさまが1人納得顔で頷いています。


おじさま、まだ嫁ではありませんわ。うれしいですけど。


「では、料理の説明をさせて頂きます。

先ずはそば粉のクレープです。薄く焼いた生地の上にチーズ、ハム、卵をのせてあります。お好みで胡椒をかけて下さい。

その横のサラダには上に白い粒がのっていますが、それがソバの実です」


料理長が鬼殻付きのソバの実が入った小皿をおじさまの前に置き、言います。

「こちらがソバの実です。この固い殻を取り、中の実を茹でた物がサラダの上に、粉にした物がクレープです」


私達は交互に説明します。


「そして、中央に置いてあるパンのような物ですが、中にカボチャのペーストをいれた少し甘い物と、お肉と野菜を入れた塩味の物があります」と私


「こちらはパンと違い発酵させ焼いた物ではないので、もっちりとしております」と料理長


「先ずは召し上がってみてください」


「では、頂こうか」


みんなが期待や不安を覗かせながら、フォークやナイフを手に持ちました。



おじさまや、エリノア様お母様の3人はガレットを食べ始めました。


ヴォルフ様とマリウス様は味見しているからか、おやきから食べています。


「うん。クレープもよかったけど、このパンみたいなのもいいね」

とマリウス様。


「これなら、みんなに広めやすいんじゃないか?」

とヴォルフ様


確かに仕事中でも食べれるし、庶民には広めやすいだろう。


「どれも美味い。このような料理に使えるなら、小麦の不足を補えるぞ。 上手く普及させれば我が領の特産品にもなる」

おじさまも気に入ってくれたみたいです。


「ソバの実の使い方や料理はアンジェリーナ嬢と料理長に任せるよ。

私はこれを作物とする為にもう少し詳しくソバを理解しなければ」

とマリウス様もやる気になってます。


これがスターレン辺境領が抱える問題の解決に一役買えるといいのだけど。

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