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食後の歓談

食後は、窓際の大きなソファーがいくつも並ぶ談話コーナーに移動して、交流を深めました。


「まあ! ランドルフ様の婚約者様は隣国の侯爵令嬢なのですか?」

お母様がエリノア様と話しています。


「ええ、来年にはカラール王国へ婿に行ってしまうの」

エリノア様は少し寂しそうだけど、それを勝る嬉しさもあるようだった。

「婚約者様のお名前は何と言うのですか?」

私はランドルフ様に聞きます。


「ミネルヴァ・ファーノ嬢と言うんだ。母上に負けないくらい綺麗なブロンドのロングヘアーで大きな翡翠色の瞳の女性で、性格も明るく話題も豊富で素晴らしいんだ」

ランドルフ様はミネルヴァ様の顔を思い出したのか、少し照れたような幸せそうな表情でいいます。


「兄上は全く… 当人がそこまで惚気ると周りが困るよ」

マリウス様が呆れ顔でいい、ヴォルフ様も苦笑いしてます。


「素敵な事ですわ 女性は花と一緒ですのよ。

いっぱい誉めて愛情一杯に育てれば、大輪の花を咲かせます」

とお母様が真面目なお顔で言い切ります。


隣でエリノア様も頷いています。


「肝に命じます」

そう言ったのは意外にも伯爵様でした。


「ギルったら、ふふふ」とエリノア様


「ギルバート様は相変わらず、エリノア様の事となると生真面目ですわね」とお母様まで。

2人でからかっているのでしょうか?


スターレン辺境伯様はギルバート様とおっしゃるのだったわね。

そう言えばお父様もギルと呼んでらしたわ。

愛称はギルなのね。


義理のお父様になるギルバート様のお可愛い一面を見れたようでうれしいです。


そしてやっぱりエリノア様にぞっこんなんですね。



「スターレン家の殿方は皆各々に魅力的ですね。

でも皆愛する人には甘そうですが、その方が家の中が上手くいきますものね。

アンジェ良かったわね」

とお母様。

エリノア様がまた頷いています。


「何を言っていますの? お母様」

私は何となく気恥ずかしい気分です。


「マ、マリウス様はお相手はいらっしゃらないの?」

私は咄嗟に話題をふります。


「ん? 僕ですか? 今のところ研究が忙しくて、デートの約束をすぐ忘れてしまうのでいつも振られています」

と肩をすくめる。


「お前はまだ本当に惚れた相手に出会えてないのだな」

とランドルフ様が呆れ顔でいいます。

なぜかヴォルフ様まで同意しています。


「いいんですよ。 研究が手に付かなくなるのは、困るから」

と口を尖らしてそっぽを向いているマリウス様はなんだか可愛かった。


お母様の言う通り皆さんとても魅力に溢れる素晴らしい方達で素敵です。


ただ1番はヴォルフ様ですけどね。



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