晩餐会
晩餐の準備で、エマとナタリーが張り切って髪型や化粧を念入りに直しています。
「町はいかがでした?」
髪を梳かしながらエマが聞いてきます。
「思ったより賑やかだったわ。
貴族の中には辺境領は何もないなんて陰口たたくような人もいるけど、規模は小さくても私は王都と遜色ないと思ったわ」
「お屋敷の使用人たちに聞きましたけど、エリノア様が来られてから随分町の様相は変わったらしいですわよ」ナタリーが手のマッサージをしてくれながら言った。
「では、ここ十数年であんなに立派になったのかしらね。
ブティックや宝石店もあったわよ。
美味しそうなお菓子とパンの店も」
「昔は武具や防具を扱う店や酒場のが多かったらしいですよ」とエマ。
「確かにそう言った店もあるらしいけど、区画を分けたってエリノア様が言っていたわ」
「それもすべてご主人の辺境伯爵様がエリノア様はのために尽力なさったとか…」ナタリーが聞いてきた話を披露する。
「まあ、さすがおしどり夫婦で有名なスターレン辺境伯爵様のご夫妻ですね」
エマも感心している。
ますますお二人の馴初めを聞きたくなった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
晩餐前にヴォルフ様が迎えに来てくれると連絡がきた。
今日はご家族が揃うし、改めての挨拶の場になるから気を遣ってくれているのだろう。
晩餐のドレスは1番似合う青系のシンプルなAラインのドレスを選んだ。
私の顔だとちょっと間違うとキツイ印象になってしまうが、エマとナタリーと一緒にこの半年間化粧や髪型の研究をした結果。
柔らかい雰囲気に見せるようにドレスアップ出来るようになった。
極めつけは私の表情が前とはちがって豊かになったから、愛想のない人間だと勘違いされる事はなくなったのは大きな変化だろう。
コンコン
ナタリーがドアを開けてくれると、ヴォルフ様が笑顔で立っていた。
「こんばんは アンジェ。
迎えにきたよ」
「お迎えありがとうございます、ヴォルフ様。
お母様にお声をかけた方がいいですか?」
「カミラ様には母上が迎えに行ったよ。
多分、父上もくっついて行ったんじゃないかなぁー」
「まぁ お二人でですか?
やっぱり仲がよろしいですね」
「まぁね 確かに昔から兄弟三人
随分当てられたかもしれないなぁー」
「ふふ 素敵な事ですわ」
私達は廊下をゆっくり進みながら、今日の町散策の話やエリノア様と伯爵様の話をしながら会場を目指します。
今日は食堂ではなく、小宴会場にテーブルを設えてくれたと聞きました。
マリウス様以外は見知った方達なのに、改まるとなんだか緊張します。




