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おい、久しぶりに会えたと思ったらこうなるか

「これは……すごい」

 近くで休んでいたAランク冒険者のカヤが、掠れた声を発する。

「アリオスさん。この気迫……ひょっとしたら、私より上をいっているかもしれません」


「…………」


 僕も彼女とまったく同様のことを考えていた。


 少なくとも、さっきまで剣を打ち込んできたカヤより威圧感がすごい。彼女の言う通り、もしかしたら、Aランク冒険者以上の力があるかもしれない。


 ――実験。


 アルセウス救済党の連中は、エムに対してそう言っていた。


 ひどい話である。

 純粋無垢な彼女に、いったいなんてことを……


 そのときだった。


――――――


 完了。完了。

 女神ディエスからげんを授かりました。

 起動します。

 起動します。


――――――


 僕の視界に、見覚えのある文字列が表示される。


 女神ディエス。

 このタイミングでお出ましか……!


「――やはり、あらわれてしまいましたか」


 そう言いながら僕の隣に現れるは、かつて僕に強大な力を授けてくれた女神様。金色の長い髪に、翡翠に透き通ったその瞳は、この世のなによりも美しいことを思わせた。


「アリオスさん、お久しぶりです。こういうときくらいしかお会いできないのが歯痒いですが……」


「はは……そうですね。できればあなたとはゆっくりお話をしてみたいですが」


「おい、なんだあの人……」

「綺麗……」

「っていうか、おとぎ話の女神様に似てないか?」

「いやいや、まさか。でもたしかに似てるな……」

「女神様とアリオスさんは知り合いだった……?」


 村人たちが口々にさざめく。


 今回は女神も時を止めていないようだな。まあ、ヴァニタスロアのときよりは切羽詰まってないからか。


「女神様。エムの状況……なにかご存知なのですか?」


「ええ。察するに、災厄をあの身に封じられているのでしょう。きたるべき時に備えて」


「きたるべき時……」


 なんだ。

 わかったような、わからないような。


 エムが災厄とやらの実験体にされていることは間違いなさそうだが。


「ァァァァァァアアア!!」


 だが、それを深堀りしている暇はなさそうだ。エムなりに頑張ってくれているようだが、彼女も少しずつ理性を失いつつあるように見える。


 ――彼女は、あんなものを抱えて生きてきたのか……


「アリオスさん。短い時間ですが、今回は私もともに戦いましょう」


「え……」


 僕は目を見開く。

 女神と共闘ってそれマジか。


「……とはいっても、前述の通り思念体ですからね。本来の力は出せませんが、それでも、災厄を屈服させることはできるでしょう」


 屈服。

 そうか。そういうことか。


 正直、このままエムと戦うのはかなりやりづらいからな。女神ディエスが災厄とやらを抑えつけてくれるのであれば、たしかに助かることだ。


「わかりました。そちらはお任せします。女神様」


「ええ。お任せを」


 言うなり、女神は両腕を前方に突き出す。

 そしてなんらかの魔力を発動しているのか、女神自身がほのかに輝き出す。


 魔法に疎い僕でもわかる。

 それがすさまじい魔力であることは。


「ウガァァァァァァ!!」


 その力を感じ取ったのだろう。

 漆黒のオーラに包まれたエムが、すさまじい速度で走り寄ってくる。


 ――速い。

 ――けど、対処は充分に可能だ。


 振り下ろされるエムの剣を、僕は間違いなく受け止める。そのまま刀身をひっくり返し、エムの剣を弾き返した。


「うおおおおっ!」


 すかさず斬りかかる僕。


「ヌッ……カハッ!!」


 エムがかろうじて受け止めるも、だいぶ苦しそうだ。


 その後もなんとか反撃を差し込もうとしてくるが、そうはさせない。

 相手の攻撃を上回る速度で剣撃をたたき込み、エムに一瞬の隙も与えない。 


 ここまでの戦いで、僕はスキル面以外でも成長しているようだ。


「――いきますよ! アリオスさん!」


 女神がそう叫んだ――その瞬間。


 彼女の両腕からいかずちのような光の筋が放たれ、丸ごとエムを包み込む。


「ガァァァアア……!」


 だいぶ苦しそうだが、女神いわく、エム自身を苦しめる作用はないらしい。

 呻き声をあげているのはエムではなく、彼女の内にひそむ《災厄》なのだという。


 そして。


「うあっ……!」


 エムの声が響きわたると同時、彼女から黒いなにかが放出された。

 

 

 


 

 

 

 

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