表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

46/188

おい、なんだこの騒ぎは

「ふふふ。ダドリー・クレイスよ」

 レイ――改めレイミラ・リィ・アルセウスは口の両端だけを吊り上げる。

「いきなり我が母の故郷を荒らすだけでなく、住民に危害を加えるとは……いったい、どういう了見かしらね?」


 ニコニコ笑いながら歩み寄るお姫様。


 その様子に、いつもの天真爛漫てんしんらんまんさはない。

 これは――怒ってるな。

 めっちゃ怒ってるな。


「しかも、私の・・アリオスを侮辱するなんて……。よっぽど痛い目に遭いたいらしいわね? ふふ、火炙りの刑かメッタ刺しの刑か、それとも……うふふ、どんな刑がお好みかしら?」


「ひいっ……!」


 これにはさすがに参ったらしい。

 ダドリーは一歩後退し、レイから距離を取った。


 まあ、マクバ家は王族との繋がりがあってこそ栄えてるわけだしな。

 僕も、追放前は父上に王族との関わり方をやかましく教えられた。

 だからこそレイには手を出せないんだろうな。


 わかる。

 わかるよその気持ち。

 いまの僕にはもう、そんなしがらみはないけどね。 


「……なにをおっしゃるのですか、レイミラ様!」

 ダドリーはそれでも退かない様子だ。

「どうしてそんな奴の味方をするのです! そいつは外れスキルの所持者で……嫌われ者で……なにもできないクズ野郎なんですよ!」


「あら。まだわかっていないようね。あなたがその気なら――」


 レイミラが言いかけた、その瞬間。


「アリオス様を侮辱するな! このポンコツ剣聖めが!!」


 見覚えのあるおっさん冒険者が、ダドリーに小石を投げつけた。


 あいつは――マジか。

 かつてギルド内で喧嘩を吹っかけてきて、その後は驚きの変わり身をしたC級冒険者だ。


「そうじゃそうじゃ! おまえにアリオス殿のなにがわかる!」

 次いでギルドマスターのアルトロが叫び声を発した。

「己の欲に囚われし哀れなマクバ家など……もう剣聖とは呼べぬわ! 王都を離れて正解だったわい!」


「少なくとも……あなたよりは立派な剣士ですよ。アリオスさんは」


 そう言うのはAランク冒険者のカヤ。


 彼女たちだけじゃない。


「そうだそうだ!」

「アリオスさんを侮辱するなー!」

「私の恩人をクズ呼ばわりしないでください!」

「お兄ちゃんは私の旦那さんよ!」


 かつて僕が関わってきた村人たち。

 そして、アルセウス救済党に囚われていた人々。


 彼ら全員が、一様に僕を庇い始めた。石ころを投げる者、大声で叫ぶ者……そのやり方は皆それぞれだが。


 たしかに言えることは――みんな、僕の味方をしてくれていることだった。


「いてっ……や、やめろ! いてててててて!」

 四方八方から石を投げつけられ、哀れにもうずくまるダドリー。

「いたい! いたいって! やめてくれよっ……! くそ、どうなってんだよこれ……!」


 ちょっと泣いてるのかな? 知らんけど。


「あら。これは……」

 その様子を見たレイミラが、ふっと笑みを浮かべる。

「私が庇い立てするまでもありませんでしたね。これはたしかにあなたが勝ち取った信頼です。アリオス」


「みんな……」


 僕なんて、もう今後受け入れられるはずもないと思っていた。


 剣聖候補という肩書きを失ったから。

 外れスキル所持者だったから。


 それでも――僕の居場所は、たしかにここにあった。


「くそったれめ! かくなる上は……!」


 耐えきれなくなったのか、ダドリーが剣の柄に手を添える。


「…………っ」


 あいつ、この場で剣を抜くつもりか。それだけは――


「――やめておけ。ダドリーよ」


 ふいに。

 懐かしい、それでいて二度と聞きたくなかった声が一帯に響きわたる。


 振り返るまでもない。

 この声は――


「村の皆様。この度は我が息子・・・・が失礼を致しました」


 剣聖リオン・マクバだった。


【恐れ入りますが、下記をどうかお願い致します】


すこしでも

・面白かった

・続きが気になる


と思っていただけましたら、ブックマークや評価をぜひお願いします。


評価はこのページの下側にある【☆☆☆☆☆】をタップすればできます。


今後とも面白い物語を提供したいと思っていますので、ぜひブックマークして追いかけてくださいますと幸いです。


あなたのそのポイントが、すごく、すごく励みになるんです(ノシ ;ω;)ノシ バンバン


何卒、お願いします……!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


▼【※超速報※】 「コミカライズ一巻」が【 2022年9月30日 】に発売されます! 下記の画像クリックで書報ページに飛べますので、ぜひ今のうちに予約してくださいますと幸いです!▼ 明日9/30、チートコード操作のコミカライズ一巻が発売します! 超面白い内容となっていますので、ぜひお手に取りくださいませれ(ノシ 'ω')ノシ バンバン ↓下の画像クリックで商品紹介ページに飛べます! i000000
― 新着の感想 ―
[一言] おい、ちみっ娘www どさくさに紛れて何しれっと女房発言しとるんじゃwwwww
[気になる点] 孤児だったのに何故レイミラを知っているの? 会ったことないし、顔を見たことないはずじゃ?
[一言] クズ親が現れたか。 アリオスには少しも動揺しないでボッコボコにして欲しい。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ