表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

42/188

おい、触るな

『ガガガ! ガガガガガ!!』


 巨大兵はまだ攻撃を諦めないようだ。野太い声を発しながら剣を押し込んでくるが、僕の宝剣はびくともしない。


『ガーッ! ガーッ!』


 一応、巨大兵は本気を出しているみたいだな。

 必死な声で剣を押し込んでくるものの、それでも僕は動じない。


 まあ、レミアも《実験》って言ってたからね。そこまで強い相手ではないんだろう。出会い頭に強力な敵と戦わせられるなんて、普通なら・・・・ありえないし。


「さて。いくぞ」


 チートコード発動。

 攻撃力アップ(小)。


「淵源流……一の型。真・神速ノ一閃」


『グ、グガァァァァァァアア!!』


 僕の振るった高速の剣技が、巨大兵を的確に捉えた。

 やはりたいした相手ではなかったらしい。


『ヌ、ヌアアアアッ……!』


 その一撃だけで、巨大兵は崩れ落ちた。



『ば……馬鹿な』

 どこからともなく、低い女性の声が聞こえてくる。

『私の魔導具が……こうもたやすく……』


「さて、これでいいでしょうか?」

 僕はため息をつきながら、剣を鞘に収める。

「そろそろ開けてくださいよ。謎の宝石について、貴女の意見を聞きたい」


『…………』

 レミアはしばらくの間黙り込む。

『元・剣聖候補よ……。巨大兵に剣を押し込まれていたはずが……まったく疲弊していないのか……?』


「ええ、そこまでは。貴女もさすがに、そこまで強い魔導具を出してきたわけじゃないでしょう?」


 攻撃力を落としたとはいえ、ほとんど力を感じなかったからな。


『……っ』

 しかしどうしたことだろう、レミアの声はひどく悔しそうだった。

『信じられぬ。私がここまで打ちのめされるとは……』


「あ、あの。レミアさん?」 


『元・剣聖候補。名をなんといったかな』


「あ、アリオスです。アリオス・マクバ」


『アリオスか。いいだろう。通るがいい。連れの者も入るがよかろう』


 シュイーン、と。

 どんな仕掛けが施されているのか、目前の扉が自動的に開かれた。本当にすごい魔導具師みたいだな。


 ともあれ、やっと認められたようである。

 いまはなすべきことをなすまでだ。 


「あ、ちょっと待って」

 不安そうなレイが、またしても腕を絡ませてくるのだった。


 ★


 偏屈な魔導具師、レミア・レイアス。

 あのアルトロをしてくせ者と言わしめた人物。


 どんな人だろうと思っていたが――思いがけず、随分と小さかった。


 うん。

 実際に口には出さないけれど。

 小さかった。


「……わかっておるぞ。おまえがなにを考えておるか」

 頬を膨らませて僕を見上げるレミアが、悔しそうに声を震わせる。

「ふんだ。見た目なぞ関係ない。私は最高の魔導具師、よいな!!」


「はい。心得てます」


「微笑ましい目で見るな!」


 うるうるした瞳で怒られた。


 まあ、アルトロいわく実年齢は22歳みたいだからな。僕よりは年上なわけで、だから態度を崩すわけにはいかない。


「……でも、ここの仕組みにはびっくりしました。すごいですね」


「ふん。そうだろう」


 ちょっぴり嬉しそうに頷くレミア。


 もちろんお世辞じゃない。

 実際にも、この家――研究所といったほうが適切か――は普通とは明らかに違っていた。


 レミアが呼んだだけで歩いてくる人形とか。

 さっきの鎧をすこし小さくしたような兵士が歩いていたりとか。


 凄腕の魔導具師であることには違いないだろう。 


「すごいと言えば、アリオス、さっきのはなんじゃ。あの鎧兵士は指定Bクラスの強さはあったはず。それを事もなげに倒すとは……」


「へ……?」


 指定Bの魔物クラス?

 嘘だろ?


 というか、そのクラスの敵を普通にけしかけてくるとは……アルトロの言っていたことは本当だな。


「しかも攻撃を受けて平然としておるとは……いったいどんな身体をしておるのじゃ。どれ、研究してもいいかのう」


「いやいやいや! やめてくださいって」


 ペタペタ触ってくるレミアを、僕はなんとか制したのだった。


 

【恐れ入りますが、下記をどうかお願い致します】


すこしでも

・面白かった

・続きが気になる


と思っていただけましたら、ブックマークや評価をぜひお願いします。


評価はこのページの下側にある【☆☆☆☆☆】をタップすればできます。


今後とも面白い物語を提供したいと思っていますので、ぜひブックマークして追いかけてくださいますと幸いです。


あなたのそのポイントが、すごく、すごく励みになるんです(ノシ ;ω;)ノシ バンバン


何卒、お願いします……!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


▼【※超速報※】 「コミカライズ一巻」が【 2022年9月30日 】に発売されます! 下記の画像クリックで書報ページに飛べますので、ぜひ今のうちに予約してくださいますと幸いです!▼ 明日9/30、チートコード操作のコミカライズ一巻が発売します! 超面白い内容となっていますので、ぜひお手に取りくださいませれ(ノシ 'ω')ノシ バンバン ↓下の画像クリックで商品紹介ページに飛べます! i000000
― 新着の感想 ―
[気になる点] まだ先を読んでませんが レミアさんが「小さい」のは、身長なのか、身体の部位なのか、このページに描かれてなくて分かりませんでした
[気になる点] よくコメントで書かれてますけど、なんでこの主人公は頑なにマクバを名乗るんでしょうか? 主人公が追放されたことを認めたくなくて、活躍して実力を証明して、家に戻りたいと思ってるならまだ分か…
[気になる点] 今さらだけど思ったことが、マクバ家を追放された身なのにマクバを名乗るのですね 貴族社会というのは当主が追放など決めた場合は、名乗ることも許されないはずですし、追放したときから平民という…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ