おい、ようやく見つけたぞ
「どうしたの、アリオス!」
僕の隣を走るレイが、訳がわからないといった表情で訊ねてくる。
「わかるかもしれないんだ! いままで大量発生していた魔物たちの謎が!」
街道付近で群れていたレッドウルフ。
突然現れたブラックグリズリーに、ジャイアントオーク。
そして今回のホワイトウルフ。
この短期間で、僕は実に多くの魔物と戦った。レッドウルフを除いて、どの魔物も驚異的な連中ばかり。
これは明らかにおかしい。
今朝に別行動となったカヤも、緊急的な依頼に呼び出されてのこと。緊急と言うからには、おそらく手強い魔物でも出現したのだろう。
「それ! 本当かい!?」
話しかけてきたのはユウヤだ。
レイと同じく、彼もついてきたらしい。
「ユ、ユウヤさん。どうして……」
「君が理由なく立ち去るなんておかしいからね。どうやらすごい発見をしたみたいじゃないか!」
「はは……だといいんですけど」
まだ確定的なことはわからない。僕の見間違いかもわからない。
でも、少なくともユウヤは僕を相当に信用してくれているようだ。
「……さて」
走りながら、周囲の気配を探る。
相手はかなりの手練れのようだ。
気配の消し方がうまい。
その証拠に、ユウヤもさっきのユージェスも気配にまるで気づいていなかった。
「おらおらおらぁ! ザコどもめがァ!」
背後ではユージェスが愉快そうに戦いの声を発している。
まあ、新たに現れたホワイトウルフは二十匹だけだからな。そこまで苦戦することもないだろう。
「はっはー! 俺様強すぎィ!」
調子に乗っている感は否めないが、戦線は彼らに任せて、僕は僕のやるべきことを行おう。
淵源流。一の型。
――無の呼吸。
初代剣聖ファルアスの剣技が、僕の脳裏に浮かび上がってくる。伝説に語られし彼が、かつてどのように敵と戦い、多くの戦績を残していったのか……
いまの僕には、それがぼんやりとだけ浮かんでくる。
――見えた。
ここから数メートルほど先の地面。
そこから邪な気配が感じ取れる。
「そこだ!」
僕は走りながら剣を抜くと、攻撃力アップ(小)を発動し、大きく跳躍する。
淵源流、一の型。
真・神速ノ一閃。
「おおおおおおおっ!」
――轟! と。
剣技を叩き込まれた地面に、大きな穴が穿たれた。
「ちょっとアリオスなにを……って、え!?」
レイが目を丸くする。
「こ、これって……階段……?」
「そうだね。こんなところに……隠すように階段があるなんて……」
ユウヤも同様、目をぱちぱちさせている。
僕は剣を鞘に収めながら、静かに言い放った。
「ここが奴らのアジトのようです。案外、簡単に見つかりましたね」
「簡単にって……」
ユウヤが呆然と突っ立つ。
「は、ははは……。すごい! 君は本当にすごいよ、アリオス君!」
「い、いったいどうやって見つけたのよ……」
「さあ、もたもたしてる時間はありません。すぐに突入しましょう!」
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