白銀の剣聖
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「ダドリー君。ちょっといいかね」
戦闘に入る直前、レイファーは小さな声で耳打ちする。
「いまのリオン君は化け物だ。まともに戦って勝てる相手ではない。ここは……役割分担をしてみないかね」
「役割……分担だと?」
「ああ。私が後方で君を支援する。だから君には……思いっきりリオン君と戦ってほしいのだ」
「…………」
そしておそらくは……これが、現時点で最も勝率の高い戦法だろう。
剣聖たるリオンの戦いについていけるのは、同じ流派のアリオスかダドリーだけ。
そのアリオスはいまも異世界人と人外の戦いを繰り広げているし……この場にダドリーが駆け付けてくれたのは、冗談抜きで助かるところだった。
もちろん、レイファーとてなにもしないわけではない。
スキル《叡智》――
それは一度見た“技”や“魔法”を、問答無用で我がものとする強スキルだ。
それのおかげもあって、そこいらの魔術師よりも魔法には長けているつもりだ。さすがに神聖魔法やら無属性魔法やらは使えないが、足手まといにはならないはず。
「はっ……いいだろう。乗ったぜ」
ダドリーはレイファーには視線を合わせず、あくまでリオンを真っすぐ見据えながら言った。
「俺だって、一度サシでリオンさんと戦ってみたかった。修行とか師弟とかいっさい関係なく……ただただ、ひとりの剣士としてな」
「ふふ……では任せるとしよう。背中は私に預けてくれたまえ」
「はっ。せいぜい信用してやるよ」
ダドリーは一瞬だけ勝ち気そうな笑みを浮かべると。
「じゃあ……いくぜ。だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!」
まさに神速のごときスピードで、瞬時にしてリオンとの距離を詰めてみせた。
そしてレイファーが瞬きを終えた頃には――
ガキン! と。
両者の剣が激突しているではないか。
猛攻をしかけたダドリーの剣を、リオンが同じく剣で受け止めている形だな。
「ほぉ……?」
そのスピードに、さしものリオンも感心したようだ。
「この速度……|バトルアリーナ(決闘)のときとは一歩も二歩も成長しているようだな」
「だらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!」
だが、ダドリーの猛攻はそこで止まらない。
力強い雄叫びをあげつつ、目にも止まらぬ速さで剣を差し込んでいる。
速く、そして重い攻撃。
さしものリオンもこれには驚いているのか、さっきから防戦一方だ。攻撃を喰らっているわけではないが、さりとてダドリーに反撃することもできない様子。
――これなら、勝てそうか……?
「リオンさん……! あんた言ったよな……! あんたが惚れたのは俺自身じゃなく、俺のスキルだけだって……!」
「…………」
「だが……それでも、俺やぁ嬉しかったんだ。なにも楽しいことがなくて、クソったれな人生だったけど……《剣聖リオン・マクバ》に拾ってもらったことがな……!!」
「…………」
「だから、あんたがどう思おうが関係ねぇ。身寄りのない俺にとっちゃ、あんたが、俺の、俺の……!!」
――父親だったんだ。
そう叫びつつ、ダドリーは強烈な一撃をリオンに見舞う。
ガキィィィィィィィン! と。
「ぬう……!」
リオンもかろうじてその攻撃を受け止めたが、その反動で大きく後方に飛ばされていった。両足で踏ん張ってはいるものの、数メートル後方に押しやられている。
「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!」
その隙に、ダドリーは再び大声を放つと。
見覚えのある《白銀のオーラ》を、その全身に迸らせた。
それはとめどないエネルギーの奔流となって、ダドリーの周囲を勢いよく渦巻いている。
「あ、あのスキルは……」
そのオーラの美しさに、レイファーは思わず息をのんだ。
――最強スキルのひとつ、《白銀の剣聖》。
アルセウス救済党の党首、マヌーザ・バイレンスをも屠った強力なスキルだ。
かつて剣聖リオン・マクバは、そのスキル名に「自分をも超えるかもしれない可能性」を見出して、ダドリーを養子に迎え入れたという。
「ダドリー・クレイス。彼ならば、いずれアリオス君とともに世界の救世主となってくれるかもしれないな……」
思わずそう呟いてしまうレイファーだった。
【※ どうぞお目通しくださいませ……! ※】
本作の3巻について、「1/30に発売」とお伝えしていましたが、正しくは【1/28】、つまり【昨日が発売日】です!
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あ、もちろん、吐くくらいの気持ちで書いたので、web版よりめちゃ面白くなってます!
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