表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

174/188

おい、また奇妙なメンバーだぞ

後書きに大事なお知らせがあります!

「き、君は……」


 片膝をつきながら、レイファーは闖入者ちんにゅうしゃの姿を見上げる。


 闖入者――すなわち、ダドリー・クレイス。

 彼はゆっくりとこちらに歩み寄ってきながら、レイファーとは目も合わせずに言った。


「勘違いすんな。てめぇのことはとっくに許してるが……味方だとも思っちゃいねえ。間違えるなよ」


 そしてリオンに再び目を合わせると、一瞬だけ両の瞳を潤ませるや……気迫のこもった声で言った。


「やっと会えたな。リオンさん」


「ふぅ……やれやれ」


 予想外の再会に、リオンもすっかり戦意を削がれたらしい。


 レイファーに差し出していた剣を鞘にしまうと、改めてダドリーに向き直った。


「私を探しているとは聞いていたが……まさか本当に再会するときがこようとはな。……知っているだろう。かつての私はおまえのスキルだけ・・に惚れたのだ。このようにして追われ続けるほど……恩義があるとは思えないのだがね」


「いいや。んなことぁねぇ」


 ダドリーはリオンの発言をきっぱり否定すると。

 以前までの《横暴な孤児》とは似ても似つかない、澄んだ瞳で言った。


「わかってるさ。俺そのものに、大した価値はねえ。《白銀の剣聖》っていうスキルを授かることがなけりゃあ、俺はいまでも孤児院にいただろう。底なしのクズ野郎ってことは……自分でも自覚してら」


「…………」


「だから、礼を言いにきたんだ。こんなクズ野郎を拾ってくれたリオンさん……あんたにな」


「ダドリー、君……」


 ここまでの話を聞いて、レイファーは思わず目を見開いた。


 ――驚いた。

 かつてのアウト・アヴニールでの戦いは、彼をこれほどまでに成長させたというのか。


《横暴な孤児》としてマクバ家の評判を失墜させた彼の姿は……もう、どこにもない。


「…………」


 リオンもまた、ダドリーの成長に驚いているのだろう。

 しばらく目を見開くと――


「ふふ……ははは」

 と、くぐもった笑みを浮かべた。

「なるほど。そうか。ダドリー……おまえも、その境地に立ったのだな」


「――だから、引き戻しにきたぜ。リオンさん」


 ダドリーはゆっくりと剣を鞘から抜くと……その切っ先をリオンに向けた。


「アルセウス救済党でも、異世界人とやらでもねえ。かつて世話になった師匠リオンさんへの恩返しの意味で……いまここで、あんたを異世界人から引き離してやる!!」


「…………」


 そうか。

 そういう、ことか。


 ダドリーはただ喧嘩を売りにきたのではなく、文句を言いにきたのでもなく。


 いままで育ててくれた恩返しとして……リオンを異世界人から引き離す。それがいまのダドリーにできる、精一杯の礼というやつなのだろう。


 ――であれば、自分も。

 ――いい加減、片膝をついている場合じゃあるまい。


「ダドリー君の、言う通りだ」


 レイファーは震える足でゆっくりと立ち上がると、決然とした瞳でまっすぐリオンを見据えた。


「君はそちら側・・・・にいるべき人間ではない。数えきれないほどの咎を背負った者として……君に、世界を滅ぼさせるわけにはいかないのだよ!」


「あんた……」

 大声で宣言するレイファーに、ダドリーがうっすらと目を見開く。

「ま……まさか戦うつもりかよ? そんなボロボロの身体で」


「ふふ。誰にものを言っているのかね」


 レイファーは不敵に笑みを浮かべると、再び剣の切っ先をリオンに向けた。 


「王族としての地位は失っても、王族としての誇りは失っていない。たとえこの身潰えようとも、民と国を守り切るのが王族としての務めだ……!」


「はん。そうかよ」

 にやりと笑うダドリー。

「せいぜい足手まといになるなよ? 俺ゃあ、アウト・アヴニールのときよりまた強くなってるぜ?」


「ふふ。楽しみにしているよ、《白銀の剣聖》――ダドリー・クレイス君」


 二人で戦闘の構えを取るレイファーとダドリーに。


「ふふふ……はははははは……!」

 リオンは再び、甲高い笑い声をあげた。

「まさかこの三人で戦うことになろうとはな……! 面白い。かかってきなさい、レイファー殿下に我が息子ダドリーよ!!」





【※ どうぞお目通しくださいませ……! ※】


本作の3巻について、「1/30に発売」とお伝えしていましたが、正しくは【1/28】、つまり【今日が発売日】です!


チートコードの既刊はここまで売上好調ではありますが、

売上によって執筆のモチベーションも大きく変わってきますので、

どうぞアマゾンでもリアル書店でも、ご購入いただけますと幸いです(ノシ 'ω')ノシ バンバン


※作品紹介ページは下にあります!


各通販サイトでもランキング1位を取ってますので、品切れにならない今のうちに、ぜひとも「今のうちの」ご購入をお願いします(ノシ ;ω;)ノシ バンバン


あ、もちろん、吐くくらいの気持ちで書いたので、web版よりめちゃ面白くなってます!


よろしくお願いします!(ノシ 'ω')ノシ バンバン

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


▼【※超速報※】 「コミカライズ一巻」が【 2022年9月30日 】に発売されます! 下記の画像クリックで書報ページに飛べますので、ぜひ今のうちに予約してくださいますと幸いです!▼ 明日9/30、チートコード操作のコミカライズ一巻が発売します! 超面白い内容となっていますので、ぜひお手に取りくださいませれ(ノシ 'ω')ノシ バンバン ↓下の画像クリックで商品紹介ページに飛べます! i000000
― 新着の感想 ―
[良い点] ダドリーのような立ち位置のキャラは他の作品だと早々に退場するケースも多い(それはそれで面白い)のですが、英雄として活躍する主人公の裏で、彼は自分が得た力に見合う品格を併せ持つ好漢へと成長し…
[一言] ダドリー君……立派になって(涙)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ