そんなんアリなのか?
『何をボケッとしてるんだ?早く【俺】を脱げよ』
⁈何だって?
俺?
脱げ?
何のことだ?
『おい、毅』
?!何で俺の名前知ってんだ?
『あの猿っぽいのどうにかしたいんだろ?』
そりゃそうだけど…
声の正体もわかりゃしないのに…
『お前な〜…一言ぐらい何か返せよな…20年以上も一緒にいたくせに水臭え…』
?!20年?「…何のことだ…」
ヤバいっ!声出ちまった!
「猿」がこっちに振り向いた!
『は〜…切ないねえ…気づいてもらえないってのは…俺はお前ともう20年も一緒にいるんだぜ?
なんならお前のカミさんとのデートにもついていってやったって言うのに…
まぁ良いや。
これから楽しくなるってのに、とりあえずアイツは邪魔だよな…
勝手に【脱げる】から、毅はココで待ってろよ?』
「え?勝手に脱げる?」
襟首を持ち上げられた様な感覚で身体が浮く。
ほんの少し地面から手が離れた感覚…
そして
四つん這いの俺の前に
ソイツはいる
背中に「ドクロを持ったバニーガール」のパッチを付けた
V○NSONの革ジャン
そう、革ジャン…
革ジャンが…
どうやって俺を助けてくれるって?
『シケた面してやがんじゃねえ!』
ドクロが喋った?!
そこはバニーガールじゃ無いの?!
『何だそのアホヅラは?』
「何で革ジャンが勝手に?何でドクロのパッチが喋るんだよ?訳わかんねえよ…」
『あ〜それはなぁ…ココがそういう場所だって事だから。そういう事にしといてくれや。後で説明聞けると思うしな。』
「説明って!誰が?」
ザザッ!!
俺と革ジャン?が話しているのを警戒していたと思われる「猿」が飛びかかって来た!革ジャンに!
ガバッ!
「猿」の頭に革ジャンが張り付く!
バタンバタンとのたうちまわりながら、「猿」は革ジャンを引き剥がそうと爪を立てる!
俺は岩のところまで下がりつつ様子を見ているが、どうやら革ジャンが有利な様だ。
ゴキッ!!!
鈍くデカい音がしたと思うと「猿」がゆっくりと倒れる…
ドサッ!
『やれやれ…コイツ、しつこかったな!』
ズルリと「猿」の頭から離れた革ジャンの…
背中のドクロが嘆息した