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Automata: Program.  作者: 巫 夏希
prologue
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prologue

 西暦二〇四七年、発達したロボット・プログラムにより人間のプログラムは思考を停止し、完全に人間の繁栄は停止した。理由ははっきりとしておらず、記録までは残されていない。なお、その後ロボットは自衛を理由に完全にプログラムを抹消した。

 西暦二〇六一年、二〇四六年度から実行していた冷凍保存プログラムが解除。僅かに残っていた人類は二〇六一年の地球に絶望するが、一人の人間によりそれは解消される。

 イヴ・レーテンベルグ。

 科学者である彼は、人間でありながら、人間の機能を補助するロボットを開発するに至った。そして今度こそ反逆を起こさないように、ロボットのプログラム開発には慎重を喫した。

 そうして生み出されたロボットを、機械人形(オートマタ)と呼び、イヴ・レーテンベルグを創造主と呼ぶことになる。

 機械人形は、人間の繁栄速度よりも速い速度で繁栄を進めていき、人間の二倍になる人口でちょうど停止した。それ以上増やしては、ロボットの反逆を進める『異端機体』が出てきてもおかしくない、というイヴ・レーテンベルグの理論から決められたルールのようなものだった。

 機械人形の見た目は人間と大きく変わることは無く、それ故に、人間と機械人形は同じ人権を持たなければならないという意見が増えていくようになった。

 それ故に、仕方ないことではあるかもしれないが、人類は、機械人形に人権を与えた。

 しかしながら、それが限定的であることには変わりない。

 あくまでも人間が創造主、機械人形は人間に忠誠を誓うようにプログラミングされているのだから。


 西暦二〇七七年、人間は月に進出を果たす。二〇四七年に起きた大災害(ザ・ディザスター)によって地球の気体構成は大きく異なっており、酸素の配分が大きく低下していた。このままでは人類は滅びてしまう。そう考えた人類は、月に酸素を排出するプログラムを開発。その名前を『復活計画(ミレニアム・プロジェクト)』と呼ぶこととする。

 復活計画はまるで誰かに操られているのでは無いか(いや、実際に人間主導で動いていたプロジェクトではあったのだが、それ以上に)と思われるぐらい順調に進行していった。 復活計画によって月の酸素構成は二十パーセントまで回復。かつての地球の気体構成と同等になってきた段階で実験を重ねた結果、月に第一の都市『不死鳥(フェニツクス)』を開発。二〇八一年に人類に解放される。同時に不死鳥を開発していた機械人形は一部の地域に押しやられることとなった。


 西暦二一〇〇年。太陽系外からやってきた宇宙人(エイリアン)との交戦を開始。以後、この作戦を第一次宇宙大戦と呼ぶことにしている。第三次世界大戦が起きなかったことについては、喜ぶべき事態だったのかもしれない。また、宇宙人が人間とほぼ変わらない科学力を持っていたことも奇跡だったと言えるかもしれない。

 しかしながら、主な戦場と化した地球は完全に崩壊を遂げた。人間は月に完全に居住区を移していたため、地球は機械人形と宇宙人との代理戦争の戦場と化していた。


 西暦二一四四年。四十年近く続けられた戦争に終止符が打たれ、宇宙人が地球を侵略するに至った。宇宙人は地球を自らが住みやすい世界に作り替えて、敗戦した機械人形は月へと追いやられることとなった。

 しかしながら、それで終わらないのが人類だった。人類は生まれ故郷である地球を見捨てる訳にはいかなかった。地球降下作戦を数百年にわたり継続し、機械人形もそれに従うばかりだった。


 西暦二七一〇年。第三三一回地球降下作戦を遂行。月面都市『フレイヤ』から十五体の機械人形が降下していく。彼らは人間の故郷を取り戻すために、彼らは機械人形が生まれた地球という惑星を取り戻すために、日夜戦いを繰り広げていくのだ。


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