泥の話
物事に対する受け取り方は当人次第、ということで。
泥にまみれた少年がいた。
少年はいつもいつも、身体中を泥だらけにして生きていた。
今日も少年は泥の中を転がりまわり、顔にも泥を塗りつけて、笑っていた。
彼の持ち物もいつもいつも、泥に汚れていた。
カバンも、服も、なにもかも。
少年の持ち物は全て泥に濡れていた。
ある日のこと。
家に向かう途中の少年を、他の少年が取り囲んだ。
「●△□×」
一人の少年が言った言葉に、泥だらけの少年は頷いた。
その泥だらけの顔を、思いっきりの笑顔にして。
少年達はみんなで走っていく。
近くの公園にたどり着いた少年達はさっそくーーー。
ボヂャ!!
泥だらけの少年を水たまりに突き落とした。
そして。
「「「!!!」」」
堰を切ったかのように笑い出す。
笑い出した。
続いて、少年のカバンを泥に突き落とす。
さらに、泥の塊を作ると泥だらけの少年に投げつける。
今度は、石も投げて当てる。
最後に。
近くの水道から水を運んんできて、水たまりに流し込んだ。
これで明日もここに水たまりは残る。
少年達はすっきりとした顔で帰っていった。
泥だらけの少年をその場に残したまま。
しばらくして。
泥だらけの少年は座り込むと、その泥だらけの顔を笑顔にして。
楽しかった、また遊びたい、と口にする。
泥だらけの少年は今日も笑顔で泥にまみれていた。




