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掌編小説集9 (401話~450話)

脱獄

作者: 蹴沢缶九郎

高く分厚い灰色のコンクリート塀が刑務所を取り囲んでいる。

長く服役している囚人からすれば、何の変化もない見慣れた灰色のコンクリート塀など味気もない。また、刑務所にやってきたばかりの囚人でも、三日と見れば直ぐに飽きるだろう。


ある日、昼の休憩時間にコンクリート塀の上部から、囚人服やカーテンを結び合わせた簡単な布をつたい、一人の囚人が降りてきた。その囚人に、中庭にいた囚人が尋ねた。


「せっかく脱獄に成功したものを、何故また戻ってきたんだ?」


降りてきた囚人は頭を掻きながら答えた。


「俺も塀に登るまではわからなかったのだが、ここは無数の刑務所が密集しているらしく、俺は隣の刑務所の塀を越えてきたんだ」

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