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雲 気
見て、あの雲、
「ん?」
なんだか、竜みたい
「ほんとだ、」
あ~ぁ、崩れちゃった、
「。(笑)」
ひとときとして同じ雲を見ることはない。
時として龍に見えていた雲は
すでにその塊を崩し
悠々と下界を見下ろしている。
その同じ塊がつぎになにを魅せるかは
誰も知らない。
大切なものは
いつも手のひらを零れ落ちて
掴もうとすればするほど届かなくて、
そして 気付いた時にはもう…
哀しいのは離れてしまった距離
さよならも言わず 終った恋。
あの日とおなじ空の色…
朝の風は冷たく
遠雷が冬を告げる。
鉤状雲
絹雲の先端が鉤状になっている雲。
中国には古来「山水思想」というものがあり、
雲は神秘的なものと考えられてきました。
雲の気配は「雲気」と呼ばれ、
その形や色から吉凶を占いました。
この話、長くなるのであとでにします、