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ダンジョンマスターは意外とホワイトな職業だった件  作者: 柏木 友
一章 ダンジョンマスター誕生
14/15

終わりの終わり

第1回会議から1週間。恭助のダンジョンに侵入者が入ってから6日たった頃。ギルド本部の1角、会議室でまた話し合いが行われていた。


「まさかAランク冒険者が敗れるとは……」

そう口にするのは大臣だった。


「やっぱり、一気に行くのが!」

やはり自分の意見が正しかったと言うのは、豪商である。


「だが、Aランク冒険者が1人も帰ってこないんだ……軍を送らない方が身の為さ」

軍で攻めても無意味と言うのは、ギルド長。


「しかしだな、何時攻めてくかも分からない者など、早く消してしまうのが!……」

身の安全。市民の安全色々と口から出任せに言い、何とか皆を説得しようとするが、皆はなかなか首を縦に振らない。


「王様はどう思われます?」

そんな中で、王様に意見を求めたのはやはり、大臣だった。


「そうじゃの……取り敢えず話し合うのはどうだろうか……」

王様の言葉に豪商は反対の声を上げ、大臣は賛成の声を上げる。


「ギルドマスターよ、お主はどう思う?」

「俺は……王様の意見に賛成です」

そのギルド長の言葉で、場の意思は決まった。豪商も不服そうだが。賛成多数の為、ここは従った。


「では、後日使者を送ると言う事で……」

王様の言葉を最後に、皆は解散した。


後日。使者が、恭助のダンジョンに来る事になるのだが、恭助は使者が来る事も、その使者が姫様と言う事をまだ知らない。



☆ ☆



気まずい……場が気まず過ぎる……。現在俺は、姫様と2人きりだ。遡ること朝。

それは突然やって来た。俺が気持ちよく、ミノちゃんの尻尾の毛並みを整えていると、隊長から、緊急の知らせが来た。


「恭助様!」

「ん? なんだよ、そんなに慌てて……取り敢えず落ち着け」

落ち着くように、言うが、隊長はなかなか落ち着かない。寧ろさっきより慌てている位である。


「で、どうしたんだ?」

「あ、はい! コレを!」

隊長から、手紙を渡される。


「これは?」

「はい、朝起きると日課の、ダンジョンの周りの警備に行こうとしたんですが……1回層に続く階段の所にこの手紙があったんです」

なるほど……誰からだ?。手紙を慎重に開け、読む。

この度は、急なお手紙を申し訳ございません。

ダンジョンマスター様。良ければ2日後、夜にお向かいに上がりますので、ダンジョン前に御足労お願い致します。


なるほど……罠か?


「恭助様、どの様なご内容で?」

隊長が興味津々そうに、しながら聞いてくる。いや、尻尾がパタパタ凄いから!


「お、おう。 ほらよ」

隊長に手紙を渡すと、後ろにいたクロまでも読み始めた。


「おいでー」

隊長とクロが読んでいる間暇だから、幼女たんと遊ぶ事にした。

だが、幼女たんはぷいっと顔を背け、コアルームから出ていく。

やばい泣きそう……


「こ、これ!」

おっ、やっと読み終えたか。


「どう思う?」

「罠ですよ、こんなの!」

うん、知ってた。


「クロは?」

「私は言って良いかと思います」

「へー、何で?」

「今までの事を考え、向こうも馬鹿ではないと思います……もし馬鹿だったら今頃ここに総攻撃をしていますので」

うん、言いたい事は何となくだが、分かるよ。


「じゃあ、行こっかな」

「えっ! ダメですよ、恭助様!」

「な、何で?」

「恭助様にもしもの事があったら、皆が困ります!」

俺ってそんなに頼りないかな……いや待てよ……俺戦ってねぇじゃん。


「いざとなったら俺だって戦うさ」

「で、ですが!」

「俺の事が信じられないか?」

俺の言葉に隊長が黙る。これさえ言えば、俺の信者は黙るんだよね。


「良し、じゃあ2日後まで準備しますか!」

俺は2日後の事を考えながらせっせと動いた。



☆ ☆


そして2日が経ち、姫様と会った。

で、今ココである。



「あ、あの……」

「何ですか?」

この姫はずっとニコニコしている。怖いよ!今すぐ逃げたい!!


「お話って何ですか?」

「あぁ、その事ですか!」

他に何があるの!?


「お話とは、ダンジョンを崩壊させてくれませんか?」

崩壊……?


「壊すって事か?」

「はい、そうd「断る」……」

「何故でしょうか?」

「ダンジョンを壊したら、俺も死ぬからだ」

俺の言葉を聞いた姫様は、少し考える仕草をし、再開した。


「では、協定を結びましょう」

「それも断る」

姫様は驚いた顔をして、理由を聞いてくる。


「何故でしょうか?」

「大体、何でお前らと協定を結ばなきゃなんねぇんだよ、こっちに良いことあんのか?」

「そ、それはダンジョンが安全に……」

「俺には最強の仲間がいる」

姫様は再び、考え、席を立った。


「そうですか……では交渉決裂ですね……」

「そうだな」

「本当に宜しいのですか?」

姫が小首を傾げ聞いてくる。随分と挑発的だな。


「逆にそっちこそ、良いのか?。敵対行動をすれば沢山人が死ぬぜ?」

ニヤリと笑いながら言う俺に、姫様は少し、たじろいだが立て直し、去っていった。


「さぁて、戦争が始まるのかな……」



その後は、すぐに戦いが始まった。たった1日でイーグル王国は半壊し、3日目には完全に崩壊した。

その後にこんな話がある。イーグル王国は昔は英雄に護られたが、今はもう、護られなかったと。

そして、この話が世界中に広がり、人々を恐怖に貶めた。そして恭介はこう思う。この職業はホワイトな職業だったと。

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