Aランク冒険者からダンジョンを守れ!その2 冒険者side
俺達はギルドからの依頼で、ダンジョンに来ている。
話によると前に来ていたBランク冒険者が全滅したらしい。
まぁ、俺らがダンジョン攻略すっからどうでも良いけどな。
☆ ☆
「クレ!今何階層だ!」
俺は戦士のクレに聞く。
「19!」
19か……早いなまだダンジョンに入って3時間ぐらいだってのにもう19……それにモンスターの数がすくねぇ。
「皆どう思う?」
俺の質問に皆考え、魔法使いのリリーが最初に答えた。
「罠……ですかね?」
「そうかもな……」
リリーの答えにクレが頷く。
「考えすぎじゃない?」
踊り子のミーは考え過ぎじゃないかと言うが、これは明らかに異常だ。
ダンジョンとはモンスターの寝床。モンスターとまだ30体しか会ってない何てオカシイ。
「罠かもな……」
俺の言葉に皆が黙る。
「どーするよ?進むか?」
そう、もう20層に行く階段の前まで俺らはついたんだ。
「進んでみませんか?調査に来たんですし……」
リリーの言葉は間違ってない。そう、俺らは調査に来たんだ。
「俺はリリーの意見に賛成だ」
「私も賛成よ」
クレとミーはリリーに賛成した。
「リーダーはどうするの?」
俺はどうすれば良い?これが罠なら多分この先で、モンスター達は待ち構えている。それでも調査の為に進むのか?仲間を犠牲にしてでも?
「おいおい、ミスト。お前らしくねぇぞ!いつもの様にチャラチャラして決めろや!」
クレの言葉に俺はハッとする。そうだ俺はこのパーティーのリーダーだ。俺がシャキッとしないでどうする!
「よし、皆行こう!」
「「「おう!(はい!)」」」
これから先にどんな地獄が待っていようが、俺らは絶対に帰還する!そして、あの娘に想いを伝えるんだ!
☆ ☆
「はぁぁぁ!!」
横切りをするが、ミノタウロスは軽く避けてカウンターをする。それをカバーに入ったクレが大盾で俺を守る。
そして、クレと俺は位置を変え、リベンジ攻撃を仕掛けるが、二匹目のミノタウロスが大剣で受け止める。そこにリリーのフレイムボールが飛んでくるが、三匹目のミノタウロスが鎌で魔法を切り裂く。
これの繰り返しだ。この三匹のミノタウロスはモンスターのクセに、連携が上手すぎる。まるで“同じ思考”を持ってるかの様に動く。
「キャ!」
叫び声の聞こえる所を見てみると、ミーが1番大きいミノタウロスに連れ去られていた。
俺はすぐにミーを助けようとするが、ミノタウロスに道を塞がれる。
「クソッ!」
ミノタウロスに切りかかるが、ミノタウロスは俺の2本の剣を片手で二つとも受け止めた。
すぐに引き抜こうとするが、尋常じゃない力で抑えられ引き抜けない。
そこに別のミノタウロスが俺に向かって斧を振り下ろす。
俺は剣を離し避けようとするが、俺の剣を抑えてるミノタウロスに脚をを捕まえられ転ける、身動きがとれず、斧に両脚をぶった切られた。
「がぁぁぁ!!脚がっっ!」
「ミスト!!」
クレーがカバーに入り俺を守る、そこにリリーがやって来て、回復魔法を掛けるが俺の出血量が多過ぎて無意味だ。
「ミスト!ミストっ!!」
リリー懸命に俺の名前を呼びながら、回復魔法を掛けるが血は止まらない。
「ぐはっ!」
次はクレがミノタウロスに殺られた。クレを見てみるが、クレは動かない。良く見ると下半身が無かった。
「あぁぁぁ!いやぁぁぁぁぁぁ!!」
リリーは発狂して、地面に伏せた。そこに鎌を持ったミノタウロスがやって来て、リリーの首目掛け振り下ろす。
リリーの首と体は離れ、リリーは死んだ。
「結局俺が最後か……」
自害用の小刀を首に当て、切り裂く。
そして、Aランクパーティーは1名を残して全滅した。