表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王は最初の町の宿屋にいる。  作者: yosshy3304
プロローグ 宿屋《魔王城》の人々
6/92

外伝1魔王城突入(前編)

 昼間の筈なのに、暗黒に包まれた草原を行く。目の前にはこの世の混沌のみを凝縮したような城が存在していた。突如、空に光が走る。轟音と共に近くの木に雷が落ちた。だが勇者一行は怯まず歩みを止めなかった。

 やがて巨人でも住んでいるのではないかと思える程の巨大な門に到着する。魔王城の外門だ。だが町等があるわけではなく、敵対者に対する備えだろう。内門が外門のすぐ側にあるのが隙間から見える。足元には紫色の大地に申し訳程度に飛び石が置かれていた。

 「ついに、ここまで来たか。」

 「そうね。次から次に難題が押し寄せてきたからね。2年もかかっちゃった。」

 「それでも、それらを解決してきたじゃないか。俺ら強くなってるぞ。」

 「魔王に通用すればいいのですが。一応言っておきますね、逃げたい人がいればどうぞ。」

 「居るわけないだろう。」

 感慨深く呟く勇者に、過去を振り返る聖僧(女)筋肉隆々だが細身の格闘家が励ませば、メガネを掛けた魔法研究者の男がパーティの勇気を確かめる。

 全員がその場に残った。

 「それじゃ、開けるぞ。このボタンで開くはずだ。」

 最後に寄った人が住む町で聞いた魔王城の門の開き方を実行に移す。門柱に設置された小さなボタンを押すだけだ。

 勇者がボタンに掛けた指に力を込め、今押した。






                  ピン、ポーーーーン






 「なんでだよっ!なんでチャイムなんだっ!!」

 思わず突っ込んでしまった勇者であった。




 「気を取り直してテイク2。行ってみよう。」

 「レポートかなんかか!?」

 聖僧(女)の言葉にまた突っ込んでしまう勇者であった。

 「それじゃ、開けるぞ。このボタンで開くはずだ。」

 最後に寄った人が住む町で聞いた魔王城の門の開き方を実行に移す。門柱に設置された小さなボタンを押すだけだ。

 勇者がボタンに掛けた指に力を込め、今押した。






                 パ、オォーーーーーーン






 思わずズッコケる勇者一行。

 「ここはこんなんばっかかっ!!」

 内門も無事開いたため、中に侵入する勇者。

 中で待ち構えていたのは、スケルトンの上位、ナイトスケルトンを筆頭とする、巨大な熊の魔物や、魔に落ちた精霊その他ゴーレム等も見える。




 皆ズッコケていたが……。




 「ズッコケてんなっ!!」

 「いやいや、突っ込む前にチャンスだから!?」

 そういって全体浄化魔法をぶち込む聖僧(女)。

 慌てて魔物側が反撃に移ろうとすると……。






                 ニャ、オーーーーーーーン






 再び鳴る玄関のチャイム。

 勇者と魔物達は思わずズッコケていた。

 犯人は魔法研究者。扉を開けたままチャイムに指を掛けていた。

 「ふむ、押すごとに音が変わるのですね。如何な構造なのでしょう。」

 「そんな事はどうでもいいだろっ!?戦えよ!」

 「いえいえ、ほら。もう終わりますよ。」

 魔法研究者が指差した方向では、聖僧(女)が全体浄化魔法で、魔物軍団を倒すところであった。

 「……こんなんでいいのかなぁ…。」




 がんばれ勇者、突っ込みは君に任せた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ