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搾精日、新たな美少女配信者

今日は、この世界における月に一度の『搾精日』だ。


一般的な男性は普段性欲が乏しいため、無理やり処理させられるこの日を恐れている。

ホルモンバランスが崩れるせいか、普段はおとなしい男性も凶暴化したり、逆に部屋へ引きこもったりするらしい。


まあ、俺は昨日のリエの無防備な寝姿のせいで、いつもより量が多かった訳だが…


無事に病院での処理と健診を終え、搾精完了を表す青いリストバンドを手首に装着されて解放された。


…なんか『出してきました』と公言しているみたいでめちゃくちゃ恥ずかしい。


その帰り道。


自撮り棒付きのスマホを手にした女の子を見かけた。


一瞬、リエかと思ったけど…違うな。


リエ以上に派手な髪色の美少女だ。

生配信中らしいのだが、彼女もまた額に汗を浮かべ、お腹をさすって顔をしかめていた。


知らない相手だが、見過ごすわけにもいかず声をかける。


「大丈夫か?はい、温かいお茶。無理すんなよ」


「き、来た〜!リオン様!…って痛たたたっ。せっかくの伸びチャンス、逃したくないのに!」


「女の子の日なんだろ?座れるところ行くか?カフェならすぐそこにあるし」


「行きたい♡アタシ、生理中は爆食いしたくなるタイプなの。痛たたっ…」


「痛むのか?ちょっと失礼するよ」


「きゃっ!?お、お姫様抱っこ♡」


辛そうな彼女をサッと横抱きにし、そのまま近くのカフェのテラス席へと運んだ。


◇◇◇


「はい、あ〜ん」


「あ〜ん♡マユ、超幸せ♡」


「マユちゃんっていうのか?俺は…」


「リオン君でしょ、知ってる!超有名人じゃん!」


「そうか、リエの配信で見かけたのかな?はい、もう一口。あ〜ん」


「あ〜ん♡って、ちょっと待って。その手首のバンド…今日、リオン君『アレ』の日なの!?」


「ああ、これ?…はぁ、こんなの着けさせられるのホント恥ずかしいよな。『出してきました』って言ってるようなもんだろ?…って、ちょっと下半身見すぎ」


「ご、ごめんなさいっ!」


赤面して視線を泳がせるマユに、俺は苦笑いする。


「はは、俺の日常からしたら、毎日このバンド着けなきゃいけないレベルだけどな。あっ、でも昨日は部屋にお客さんが来てたからシテナイんだけど」


「っ!?!?ま、毎日!?えっ、昨日は…」


マユがキャパオーバーを起こして真っ赤になっていると、ふと彼女のスマホから凄まじい通知音が鳴り響き始めた。


「な、なにこれ!?視聴者数…えっ!?コメントが見たことない速さで流れてるんだけど!?」


『毎日♡♡♡(絶句)』

『絶倫すぎるだろリオン様っ!』

『この女、超重要情報を引き出したからチャンネル登録してあげるわ』

『さっきまで同接一桁の底辺配信だったのにwww』

『リオン!この浮気もの〜〜〜〜っっっ!!!』

『うわ、コメント欄にリエ本人がいるやんwww』

『リエちゃん?自分の男が別の女にお姫様抱っこ&あ〜んしてるけど、どんな気分?』

『wwwww』


さっきまで過疎っていたマユの配信画面は、俺の無自覚な爆弾発言と「あ〜ん」の威力を受け、一瞬で万単位の視聴者が雪崩れ込む大炎上祭りへと変貌していた。


〜こうして俺のただの優しさは、またしても見知らぬ女性配信者を一晩で時の人に変えてしまうのだった〜

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