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第一話 旅立ち

とある森の昼過ぎ

背の高い木々に囲われ陽光は意味をなさず、闇の領域となっていた。

木々をかき分け進んでいる少女の体力は、すでに限界を迎えつつある。

もうどれほどの獲物を狙う視線に当てられたか、考える余裕すらない。

「あと二日ほど歩けば、町に着く、、はず、、」

そんな情報も体力の限界の前には、気休めにもならない。

持ってきた白いローブや空のカバンすら重く感じる。


魔獣の視線は感じるものの、襲ってくる気配はない。今後襲ってこない保証もないが、早く町に着くためだということにして、腕を置いた木の幹に腰掛ける。

どこか懐かしく感じる木々の香りを感じながら、しばしの休息をとることにした。


わずかに残る両親との記憶。それだけが今を生きる理由であった。

今日も両親との夢を見た。父の腕の中に抱きかかえられ、母が焚火の番をしている。しばらくたち、大きな足音に気づき、そこで夢から覚める。


鼻に着く血の匂いで目を覚ました。魔狼が狩りをしたのだろうか、とにかく気取られないうちに歩き始めることにした。

自然は御伽噺のように味方をすることはない、そのことを忘れてはいけない。

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