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神罰の英雄たち  作者: Anon
北の大陸編(中編)古代迷宮"巨人の悪夢"

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98/142

大きな夢

97話目です。

翌朝、街の出口のところに全員集合していた。

今回はガッツも遅刻せずに来ていた。

  



オリバー『さあ、小迷宮の探索だね。

一応下調べはしたけど行ってみるまでどんな迷宮かわからない。

僕たちは強くなってるけど、油断せずに行こう』



ジラト「うむ。そうであるな。

まあ、我が役に立つ場面があるかはわからんがな!」

 


ヒルダ「ジラトって明るいようで意外と卑屈よね…。

そんな風に言わなくても本当に頼りにしてるんだから」



ジラト「すまない。やはり以前のように豪快に戦えないのでな。

どうしても引けを感じてしまうのだ」



ヒルダ「ガッツ、どうしたの?なんか静かだけど。

こんな時いつもなら『ジラト!気にすんなって!』みたいに、

声かけてるじゃない…」



ガッツ「あ…?そうだっけか?それに別に静かじゃねーよ。

みんなが喋ってたから聞いてたんだよ」



ヒルダ「…そう?まあ別にいいんだけど」



ネフィア「皆さん、私もお役に立てるかわかりませんが、

頑張ります…!指示さえ頂ければしっかり動きますので…!」




みんなの"いつもの会話"から、

油断など少しもしていないことが読み取れた。




その気合いとは裏腹に小迷宮の攻略は比較的容易だった。

駆け出しの冒険者でも、少し腕に自信のある市民でも、

頑張れば何とかなりそうな程度だった。

しかし、その奥に隠された遺物は"ホンモノ"だった。




冒険者ギルドではこの遺物がかなりの高値で取引されており、

オリバー達5人の今晩の食事が、豪華になることが約束された。




ヒルダ「せっかくいい仕事したってのに、

なんかガッツ元気ないわね」



ガッツ「そうか?いつもと変わらねーつもりだけど?」



ジラト「連日慣れない調査ばかりで疲れたのだろう。

今日も早めに休むがよい」



ガッツ「確かにそうかも知れねーな。

じゃあ、俺は先に休むよ」



オリバー「ガッツ、明日の朝もここに集合だからね」



ガッツ「おう。じゃあな」




ガッツは先に部屋へと帰った。




ヒルダ「私たちはどうしようか?」



オリバー「本当はガッツにもいて欲しかったんだけど…。

みんなが調べてくれた情報を元に立てた僕の仮説を聞いてほしい」



ジラト「我はそういう時のオリバーの話は好きだぞ」



ヒルダ「好きだけど…覚悟して聞かないとね」



ネフィア「え…?何が始まるんですか…?」




豪華な食事を囲みながら、オリバーが仮説を話し始めると、

みんな異論を唱えず納得したように聞き入っていた。




ジラト「なるほどな、夢か。

確かに、夢遊病のようにも見えるものな…。

我はこのタリスマンのおかげか悪夢のようなものはまだ見ておらぬ」



ヒルダ「その悪夢を見たから、

全員がおかしくなるってこともないんでしょ?

そうじゃなきゃこの街に人はいないもの」



オリバー「だから仮説なんだよ。

僕も真実がどうなのかわからない。

僕も体質的にか何かはわからないけど夢を見ていないらしいしね」



ヒルダ「らしいってどういうこと?

自分の夢なのに誰かに聞いたの?」



オリバー「アルカ=ヴァリスが…ね。

夢で接触しようとしてたらしいんだ」



ヒルダ「もしかして…神罰?」



オリバー「無理だったみたいだけどね」



ジラト「ヒルダとネフィアは夢を見るのだろう?

では明日の朝、どんな夢をみたのか話し合おう。

覚えておらぬ場合もあるがな」



オリバー「今はそれしかないよね。

みんな話聞いてくれてありがとう。

また明日ね」



そうして4人も解散し明日を待つこととなった。

明日もまた別の小迷宮の探索だ。


オリバーは1人、宿のバルコニーに出て夜の静けさを感じていた。

この静けさは今、夢を見ている人たちが作り出しているのだろうか?

街はこれほど明るいのに、

こんなにも夜を感じさせることもあるのだろうか?


明日の早朝はどれだけの人々が、迷宮に挑みに行くのだろうか?


…あれは挑んでると言えるのかどうかもわからない。

そう、まだ…何もわからないのだ。


ご愛読ありがとうございます。

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