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神罰の英雄たち  作者: Anon
北の大陸編(中編)古代迷宮"巨人の悪夢"

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96/142

夢、希望

95話目です。

その夜。

オリバーは一人、宿の一室で机に向かっていた。



机には地図が広げられ、今まで行った場所を見ながら、

これからのことを考えていた。

もう既に、どこへいき何をするのか分かっているはずなのに。



街の様子を見たり迷宮の情報を聞いたりしているうちに、

オリバーの中に今までにない不安が募っていった。



ティナのような姿の者が他にも沢山いたのだ。

その者たちは、揃って体に傷はなく治療痕もなかった。

ただ、精神だけを攻撃されていることを示していた。


そんな敵にどうやって立ち向かうかもわからない。

仲間がそんな目にあっても助ける方法もわからない。


それでも"巨人の悪夢"に挑もうとしている時点で、みんな異常だ。

その時点で何かにあてられている。

だが、オリバーもまたその異常の一端だった。


街の人の話で気になった言葉があった。


"また夢を見た者が行ってしまった"


オリバーにはわからなかった。

迷宮攻略を夢見る者が挑むものだから。



オリバー「やあ、ジラト」


ジラト「どうした?オリバー」


オリバー「ジラトにこれを渡しておこうと思って」


ジラト「これは…タリスマンか。

どんな効力があるのだ?」


オリバー「精神攻撃が効かなくなる代わりに、

傷が回復しなくなるんだ。

行きつけの遺物屋で仕入れておいたんだけど、

ジラトにぴったりだと思ってね」


ジラト「それは助かる。

我もあのようにはなりたくないのでな。

…それと……どうやら冒険者だけではなく、

市民まで"巨人の悪夢"に挑んでおるようだ…」


オリバー「市民まで…?

……ちょっと考えるよ。

また明日ね」


ジラト「あぁ。早く休むんだぞ」



そして早朝。



"また夢を見た者が行ってしまった"

という言葉がどうしても頭から離れないオリバーは、

街の出口付近に様子を見に来た。


街を出ていく人が何人かいたが、

その全ての人の目は最早生気を失っていた。


その眼差しには迷宮への夢も希望もない。


しかしまだ、夢を見ているかのような足取りで、

何かに誘われるようにフラフラと歩いていた。



ご愛読ありがとうございます。

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