失ったもの
94話目です。
オリバー『ねぇ。みんなはどうしたの…?』
ギルドホールを見渡しても懐かしい顔は一人もいない。
カイム「だよな。後で顔を見せてやってくれ」
オリバーの相槌には安堵と不安が同じだけ入り混じっていた。
オリバー達の持っているギルド証は、
この大陸では使われていないものだったが、
魔法により履歴が刻まれていた為、正規のものとして扱われた。
手続きはすぐに終わり、カイムの仲間のいる場所へと案内されていた。
カイム「ほら、この部屋だ」
オリバー『え、ティナ……だよね?
眠っては…ないのか…。だけど、意識もない…?』
カイム「恐らく魔物の精神汚染か何かだと思う。
…オレは助けられなかった…」
オリバー『……後の…2人は……?』
カイム「グラム、リード。
逸れてしまったんだ。
今は合わせる顔もないがな…」
カイムはティナの方を見やりながら静かに語った。
オリバー『でも…戦ってるんだね』
カイムの欠損した体を称えた。
カイム「あぁ。絶望もしたがな。
だが不思議とな、五体満足の時よりも今の方が力が湧くんだ」
オリバー『なら、僕のパーティで特攻隊長やってよ。
今度は僕たちが招待する番だよ』
カイム「それは構わないが…。
"異界の喉笛"とは毛色が違う。
"巨人の悪夢"を舐めてかかるな。
こんな体になりたくなかったらな…」
オリバー『そんな説得力いらないよ…』
オリバーが部屋を出た後、ガッツとヒルダもティナに会いに行った。
反応は皆同じだ。
ジラト「オリバー。その顔…まあ仮面で見えないが…。
我はわかっておるぞ…?全員で聞き込みをするのだな?」
オリバー『さすがジラト!わかってるね!
まずは宿を取って拠点を作ろう!
酒場にも行かなきゃだし…明日の朝、僕の部屋に集合してくれ』
ガッツ「おし!ちょっくら行ってくるか!またなー!」
ヒルダ「ガッツは何を調べに行くのかしら…?
私は得意の神罰関係を調べておくわ」
ジラト「我はネフィアと共に冒険者に尋ねるとしよう」
ネフィア「異種族同士ですね。
この街は異種族も沢山いるから動きやすいですし」
オリバー『僕は迷宮関連を調べ上げる。
ティナを助ける手がかりもね』
カイム「心強いよ…。君たちに会えたのは本当に……心の救いだ。
オレにもできる限りのことをさせてくれ」
オリバー『うん。じゃあ行動開始だ!
って、ガッツはもう行っちゃったけど…』
そうして、オリバー達は絶望へと向かう調査に乗り出した。
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