迷宮都市
93話目です。
"巨人の悪夢"―――。
人々の侵入を妨げる様に数多の小迷宮を作り出している古代迷宮。
濃い霧に覆われた、広大で底知れぬ沼地。
そして、未知の魔物たち。
恐れる人々も多数いたが、それに果敢に挑み続ける者達がいた。
彼らは冒険者。
その迷宮を取り囲む様に人々が集まり、やがて拠点を作り始めた。
ここは冒険者の街、迷宮都市《レム=グレイヴ》。
オリバー達はアルカ=ヴァリス教皇国を後にし、
今まさにその都市に足を踏み入れていた。
ヒルダ「へぇー!すんごい街ね!
あの穴はもう迷宮ってことよね?
迷宮都市ってそのままじゃない!」
オリバー『いつになくワクワクしてるけど…
ダンジョン苦手じゃなかった…?』
ヒルダ「もう克服したわよ。そんな昔話。
今はアンタたちとの冒険を楽しんでるから」
ガッツ「へ!良いこというじゃん!
俺もいつもよりワクワクしてるぜ!
街ん中にダンジョンがあるなんて見たことねーもん!」
ジラト「つまりあのように迷宮が存在するということは、
ここが"安全地帯"だと決めつけるのもまた危険だということだ」
ネフィア「街の中なのに…気が抜けませんね」
オリバー『まずは冒険者ギルドを探そう。
これだけ迷宮あって冒険者もいるんだ。必ずあるはず』
ヒルダ「私たちが持ってるライセンスで通用するのかな…?」
???「問題ない」
???は、歴戦の戦士の風格を醸し出していた。
左目と左腕を失っているようだが、その体躯は屈強で、
今も尚現役だと言うことは誰が見てもわかるだろう。
そして彼のあの時の面影は辛うじて残っていた。
オリバー達はその人物を知っているのだ。
オリバー『…まさか……。……カイム…?』
カイム「よくわかったな、オリバー。
お前達は見た瞬間にわかった。
知らない者もいるようだが、新しい仲間ということだな」
ガッツ「待て待て待て!淡々と話すなよ!
どうしたんだよ!その体!何があったんだ…!」
カイム「話せば長くなるが…
俺がこの街にいる。それだけでわかるだろう?」
ガッツ「わっかんねーよ…!」
ジラト「ガッツよ。お主が熱くなってどうする。
この者にも事情があるのだ。
カイムと言ったか。何やらこの街に詳しいようだな。
案内を頼めるか?」
カイム「無論、そのつもりだ。ついてきてくれ」
カイムとの再会は、オリバーにとって衝撃的なものだった。
オリバー達が苦労して渡った北大陸。
なぜそこにカイムがいるのか。
カイムの変わり果てた姿は何なのか。
その全てはこの迷宮都市《レム=グレイヴ》が語るであろう。
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