手のひらの上
88話目です。
アルカ=ヴァリス教皇国、教皇庁地下。
牢獄の間に彼は来ていた。
「よっ!ヒルダ!久しぶりだな!」
ヒルダ「なに?誰?
…ってガッツ!?なんでこんなとこに!」
ガッツ「囚われの貴族様を助けに来たんだよ」
ヒルダ「…ってまさか…!
私が捕まったのも作戦のうちってこと!?」
ガッツ「んー、俺はわからねーけど、
俺がすんなりここまで来れたってことは、そうなんだろうな」
ヒルダ「オリバー…。これが終わったらただじゃおかない…!
で、これからどうするの?」
ガッツ「俺がヒルダを処刑場に連れて行くんだが…その先は知らね」
ヒルダ「はぁ…。また振り回されるのね…。
まあもういいわ!早く出して!」
ガッツ「よし、開いた!ほら、行くぜ!」
ヒルダ「ジラトとネフィアは?」
ガッツ「わからねー。オリバーが何とかしてると思うけど?」
ヒルダ「ま、全部はアイツの作戦だから、
全部責任押し付けてやるわ…!」
ヒルダたちは牢獄を出て、処刑場までの道のりを歩いていた。
ヒルダ「ねぇ、かなり順調に進んでるんだけど…」
ガッツ「大丈夫。オリバーを信じろ」
ヒルダ「もう…やだ…」
教皇庁内、書庫にて。
オリバーは本を読みあさっていた。
『度々出てくるアルカ=ヴァリスという名前。
神様の名前だったんだな。
でも、教皇がこんなことしてて、神は何も思わないのか?』
古い神話にはこう書かれていた。
突如顕現した新たなる神、アルカ=ヴァリスは国に平和をもたらした。
新たな命に加護を与えた。
人々は神に感謝した。
人々は神を祀る神殿を建立し、神を崇めた。
アルカ=ヴァリス教皇国はここに誕生した。
『神様ってこんな感じで出てくるのか?
神話…あまり目にしなかったけど、でも違和感がある…』
その神話以外にもアルカ=ヴァリスという神は沢山出てきた。
『アルカ=ヴァリス…会いに行ってみるか』
教皇庁内、教会にて。
『アルカ=ヴァリス…ここにいるよね』
協会の最奥に大きな像が祀られている。
そして、その前に荘厳なローブを身に纏った老人が立っていた。
「君かね?この国に混じった異物は。
何が目的だ?」
オリバー『あなたはたしか…サンクトゥス・ヴァルグレイスさんだっけ?』
教皇「なに?お前もあの場に居たのか…?
そして、ここへ何をしにきた?」
オリバー『アルカ=ヴァリスに会いに来たんだよ』
教皇「我が神の名を安々と口にするな」
オリバー『死の魔紋や奴隷紋を黙認するなんて神のすることじゃない』
教皇「やはり…お前だったか。
魔紋を見るなど、常人にはできないはずだ。
お前…本当に何者だ…?」
???「もうよい。サンクトゥス」
教皇「…な!?あなたは!!」
???「サンクトゥス。お主は策に嵌めたと思っておるのだろう。
しかしその実、この者に踊らされておるだけなのだ」
オリバー『もしかして…アルカ=ヴァリス…?
神様が簡単に出てきていいの?』
???「不思議なヤツだな、お主は。
私と普通に対話できておるとは。
ん?妖精を連れて…?高位森族か…?」
オリバー『僕は人族だよ。たまたま妖精を使役できただけさ』
???「まあ…細かいことはよいか。
サンクトゥスよ。処刑場へ向かうがよい。
それを告げに来ただけだ」
オリバー『え!ちょっとズルくない!?
神様に教えてもらってたの!?』
教皇「これが私の力なのだ。
邪魔を…するでない…!」
教皇の手から光の玉が放たれ、
さっきまでオリバーが立っていた地点に着弾した。
???「さあ、サンクトゥスは行ったぞ?
お主はどうするのだ?」
オリバー『行き先はわかってるからね。焦らないよ。
アルカ=ヴァリス…1つ聞きたいことがある』
???「私の名を…安々と…?
………なんだ?」
オリバー『君、本当の神様じゃないよね?』
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