和解?
74話目です。
一区切りです。
その後、"小さな"宿にて―――
コンコン―――
ガッツ「お、オリバー…!ちょっと…いいか?」
ガッツはオリバーがいる部屋の前にいた。
部屋の扉が開き、
オリバー「やあ、おかえりガッツ。
ノックって…ここ、ガッツの部屋でもあるんだからね。
…僕も丁度話したいと思ってたんだ」
仮面を外したオリバーが出迎える。
ガッツ「あ、ああそうだったな!
ちょっと頭がこんがらがっちまって…ってオリバーも話が?」
オリバー「うん。
ガッツが落ち込んでるのはガッツのせいじゃなくて、
僕が悪いからさ。勘違いしてるなら謝らないとって―――」
ガッツ「ちげーよ!!俺が悪いんだ!ほんとごめん!
もうあんな戦いはさせない!俺はもっと強くなる!
もっと周りを見て声出して!
"攻撃"以外のことを全部できるようになるんだ!
あの戦いは自分のことでいっぱいで何も見えてなかったし、
オリバーにまともに声もかけてやれなかった。
勝ったのに…すげー悔しい」
オリバー「そこまで考えてたんだ…。
でもあれは僕にも思うところがある。
あの魔物…マルゴルグに嵌られたんだ。
完全にしてやられた。
隙を見せられた。
隙を作らされた。
死角を作られた。
油断というものを思い知らされた。
…僕が未熟だったんだ。あの魔物は妙に知性があった。
勝てたのは偶然。"開拓者のタクト"が2回使えたから勝てた。
それがなかったら…魔法陣まで走って逃げてたね。
…それにあれほど知性が高い魔物には、
ガッツの盾の効果が薄くなるみたいだね」
オリバーは話せば話すほど早口になり、心底悔しそうに語った。
その光景をみたガッツは終始驚いていた。
ガッツ「じゃあそんな魔物がまた出てきたら…
どうするんだ…?」
オリバー「そうだね…。 僕たちもそろそろ、
その盾が通用しなかった時のことを考える時がきたんだよ。
もうここは"中央大陸"じゃない。
未知の土地に足を踏み入れているんだ」
ガッツ「へ??でもまだ転移の門見つけてねーんじゃ…」
遮るようにオリバーが話を続ける。
オリバー「ガッツが最初に転移の門を"踏んで"いたんだよ。
転移の門とは扉や門じゃなくて、魔法陣…"紋"だったんだ。
それが隠蔽魔法によって隠されていたから、
ガッツは知らないうちに踏み抜いて転移してたんだよ。
動植物も長い年月を経て転移を続けていたから、
景色が変わらないのもあって気づけなかったんだ」
ガッツ「えー!?まじかよ!!転移してたのか!?
ここもう違う大陸なのか!?すげーじゃん!!大冒険だな!!」
オリバー「そうだよ!
あとはここがどこの大陸なのかを調べないとね」
ガッツ「面白くなってきたー!!やってやるぜー!!」
そこに丁度、ジラトが帰ってきた。
ジラト「おぉ!ガッツ!元気になったようだな!
若者はそうでなくてはな!」
ジラトは嬉しそうだった。
オリバー「ジラト、ちょうど良かった。
今後の動きについて話しておきたかったんだ」
ジラト「うむ。聞かせてくれ。できることは何でもやるぞ」
オリバー「心強いよ。暫くこの里を拠点にして、
この辺りの調査をしようと思うんだ。
新しい大陸に来たのは間違いないんだけど、
ここがどこの大陸なのかまだわかってなくて」
ジラト「確かにそうであるな。
我はこの翼で上空から地形を調査してみるとしよう。
……遠くまでは行けぬがな」
ガッツ「空飛べるのいいよな!俺も竜とか鳥獣を召喚して――」
バタンッ!!
勢いよく部屋の扉が開いた。
そこにはヒルダが立っていた。
ヒルダ「なんで私抜きで楽しそうな話してんのよ!
私も混ぜてよ!」
そう言って部屋に入ってきた。
ガッツ「じゃあ部屋分けた意味ねーだろ!」
ヒルダ「寝る時はあっちにいくわよ」
4人は雑談を交えながら今後の方針を決め、夜が更けていった。
紆余曲折ありながらも無事に大陸の移動を終えた。
ここが北の大陸――
オリバーたちは世界の壁を越えたのだ。
北の大陸編の始まりであり、章の中間ポイントとなります。
次回、観測者です。




