冒険者ギルド
6話目です。
翌朝、街の広場で集合したオリバーとガッツは冒険者ギルドへと向かっていた。
ガッツ「冒険者ギルド、どんなだろうなー?
俺達と同じくらいの子いるかな?」
ガッツは楽しそうにオリバーに問いかける。
オリバー「いや、いないと思うよ。
ギルド職員さん驚くんじゃない?」
オリバーは冷静に答える。
ガッツ「それはそれでなんかいいよな!
あー、ワクワクすんなー!」
2人は談笑しながら歩いているといつの間にかギルド前に到着していた。
ガッツ「さあ…入るぜ…」
扉を開けた先に待っていたのは広いホールに大勢の冒険者達が行き交っていた。
鎧をまとった者、魔法使い風の者、盗賊風の者、中には僧侶の格好をした人まで居た。
ガッツ「すげーな…!」
オリバー「うん…!すごいね…」
2人は辺りを見渡しながらカウンターへと辿り着いた。
受付嬢「ぼうやたちは…もしかして登録かな?」
優しそうなお姉さんが2人に問いかける。
「はい!」
2人は声をそろえて返事をした。
受付嬢「ここは子供だろうと老人だろうと、
差別はしないから安心して。
この書類を読んで書いていってくれる?」
職員のお姉さんは書類の項目を指差し、丁寧に教えてくれた。
書き終えた2人は再びカウンターへと向かい、書類を提出した。
受付嬢「うん、おっけー!はい、これギルド証」
ギルド証を2つオリバー達の前に出してくれた。
受付嬢「少し説明するわね。
ギルド証はランクに応じて素材がかわるわ。
初心者は失くしたり死んじゃったりするから、
とりあえず紙のギルド証なの。
いくつか依頼をこなしてちゃんと冒険者として認められたら、
みんながつけているネックレス型のギルド証に変わるからね」
「ありがとうございます」
2人はカウンターに背を向けた。
受付嬢「あ、待って!あっちに依頼が貼ってあるから、
初心者用の依頼を選んで持ってきてくれる?」
掲示板の方を指差して教えてくれた。
掲示板から依頼書を取り、カウンターへと持っていった。
受付嬢「森の入り口の魔物討伐依頼ね。
初心者用依頼の中では難しい方だから気をつけてね。
倒した魔物の素材を持ってきてくれたら依頼完了になるから」
そして2人はギルドの外に出て深呼吸をした。
ガッツ「ふう、緊張した…!」
オリバー「うん、緊張したね」
ガッツ「俺らさ、子供丸出しだな。
どっかで装備とか兜とか探すか!
あまりにもさらけ出し過ぎだし顔ぐらい隠そうぜ」
オリバー「たしかに。僕も親や学院にバレたくないからね。
どこかいい店知ってるの?」
ガッツ「いや、知らねーな。
とりあえずそこら辺歩いて探そうぜ」
と言いながら街の散策を始めた。
2人は何かに誘われるように暗い路地裏の方に来てしまった。
ガッツ「なんかいつの間にか怪しい所にきちまったなー」
オリバー「だからあそこで曲がろうって言ったのに…
あ、でもあれ、お店じゃない?」
ガッツ「ほらみろ!俺の言った通りだ!!」
オリバー「都合がいいなー…。まあとりあえず入ってみようよ」
すごく古い作りの建物で、
扉も丁寧に扱わないと壊れてしまいそうな外観の店だった。
そして2人の冒険のはじまりとなる扉をゆっくりと開いた。
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