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神罰の英雄たち ー神に選ばれなかった少年、神を欺き世界を駆けるー  作者: Anon
継承編

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41/74

王の気がかり

40話目です。


ヴェルネイド王国国王シェイン・ヴェルネイドは、

書庫ですれ違った"無言の仮面"が気になっていた。




ヤツが隠蔽魔法を使う時の魔力の揺らぎを感じなければ、

そこにいることに気づけなかったからだ。


王は建国する前は冒険者として活動していた。

百戦錬磨の自分がたかが気配に気づけないなんてありえない。

それに一般の冒険者には何の役にも立たない資料ばかりのこの書庫に、

なんの用で訪れていたのかも気になる。



王は"無言の仮面"が気になって仕方なかった。


王は街に繰り出した。

王とバレないように深く"フード"を被って旅人のフリをした。 



まずは冒険者ギルドホール"金獅子亭"に向かった。


空いている席に座り、身を潜めながら冒険者の話を聞いていた。


冒険者達の口からは様々な話が飛び交った。


その中でも多かったのは"ブラッディシェル"と呼ばれる、

盾しか持たない騎士の話だ。

自分の体より大きな大盾を2枚両手に持って戦う、

赤黒い鎧に身を包んだ騎士だそうだ。


それで"血染めの貝"か…。


そしてその後、遂に"無言の仮面"の話が聞こえた。

どうやらお喋りな妖精を連れているらしい。

日中は1人でここに訪れることが多いとのこと。

そして夜は、3人で訪れて依頼を受けるらしい。


王は最初は"無言の仮面"の調査にやってきただけだったが、

不思議とギルドホールで座っているのが居心地が良かった。


王も昔はそうだったのだから。


噂の調査を終え、次に向かったのはギルド長室。

ここの扉を"すり抜け"てギルド長のヴァルカンの前に立った。


ヴァルカン「うわっ!!おい!シェイン!

その入り方ヤメロって言ってんだろうが!!」


いつもやられているような口ぶりだ。


王「悪い悪い。

この入り方に慣れたら扉に手をかけるのも面倒でな」


ヴァルカン「ッたくよぉ!

…んで、お前からわざわざ会いに来るなんて一体何の用だ?」


王「"無言の仮面"について知っていることを教えてほしい。

王城の書庫でたまたますれ違ったんだが、

向こうが隠蔽魔法を使うまで、

そこに居ることに気づけなかったんだ。

…この俺がな」


ヴァルカン「たしかにそれは驚きだが、

"無言の仮面"ならわかる気がするな…。

資料見るか?」


王は、ヴァルカンが取り出した"無言の仮面"の冒険者資料に目を通した。


―――。 



名前は…伏せてある。まあさすがにそうだな。


主な役割は斥候……だと!?


武器は短剣。

短剣と徒手格闘を切り替えながら器用に戦う盗賊職。


なのにあのほぼ完璧な隠蔽魔法はなんだ…?

"俺でなきゃ見逃していた"


所属するパーティ名は無記名…だが、

巷では"ノクトラ"と呼ばれているらしい。

ノクトラってなんだ…?


経歴は…っと。

5年前、紙ランク…初心者の時に森の主「白蛇」を2人で倒している。

この時は2人だったのか。

「白蛇」…確かにいたな。

しかしあれはアライアンスを組んで討伐するレベルだったはず…。

コイツらよくやったな。



ここで一気に鉄ランクに昇格してるな。

その後、難度の高い依頼を次々にこなし、

史上最短で鉄から銅に昇格。



銅ランクの時には「異界の喉笛」で冒険者を救出し、

その後再度挑戦し攻略している…。

金ランクパーティ"シグマフォース"と一緒にか…。



ここで銀ランクに上がり、

ここから5年の年月を経て、

今や冒険者なら誰もが知る、

白金ランク"無言の仮面"となっているのか。


こなした依頼数も物凄いな。

基本は夜の活動がメインで…たまに昼間も1人で活動している。


この資料じゃここまでだな。



結局、経歴が知れただけでほとんど何もわからなかった。


調べれば調べるほど"無言の仮面"が誰かわからなくなった。

最初は誰かのなりすましだと思い調査を始めたが…


それが逆に"無言の仮面"という1人の存在感を強めてしまった。



「しかし⋯なーんか、引っかかるな…」


ご愛読ありがとうございます。

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