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神罰の英雄たち ー神に選ばれなかった少年、神を欺き世界を駆けるー  作者: Anon
ダンジョン攻略編

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31/73

神罰と呪い

30話目です。

「何故―――」




「何故また私をこんな目に合わせるの…?私にはもう神罰は下ったじゃない。呪いを受けてもまだこんな仕打ちって……」





「―――やっぱりここにいたんだ」





 月明かりの逆光でよく見えないけど、

 この優しい声はあの仮面の少年だ。




私「やっぱりって…なんでここってわかったの?」


???「まあ…なんとなくだよ。それよりさ…神罰とか呪いってなに?」


私「聞いていたの…?それなら説明はいらないわね」


???「まあ、そうだね。全部わかったわけじゃないけど、呪いのせいで祝福の魔法が使えないんだよね?」


私「あなた…本当に不思議な子…そこまでわかっているなんて…でも―――」



???「ん?少し違った?」


私「少しね。祝福の魔法が使えないわけじゃないの。いや、もっと酷いわ。私の祝福の魔法は"反転"してしまったの」


???「反転…?」


私「私の祝福は人を傷つけ、弱体化し、毒や病気を付与するの。これじゃ"聖職者"じゃなくて"呪詛師"よね」


???(神罰…呪い…反転………。呪い…?反転…?)


私「あなた、聞いてる?」


???「あ、ごめん。ちょっと考えてた。君のその"呪詛"の使い道をね」


???「それは―――」

 その少年はありえない話を続け、そしてとんでもない行動に出た。

 またあの仮面をつけ、私の下へ来てナイフを取り出した。

 そして………




 ―――そんなこと…ダメ!!!






 突然起きた出来事、そして咄嗟の行動、想像とは違う結果で

 わけがわからなくなっていた。


 少年は仮面を外し、

???「ほら。僕の言ったとおりでしょ?」



私「いや、でも、そんなことって…!本当だった…!」



???「だからさ…僕達と一緒に来なよ。君の力は僕達なら活かせる…。僕の名前はオリバー。銅ランクの冒険者さ」


私「オリバーって言うのね。私の名前はヒルダ。ヒルダ・アウレリアよ。まあこの"アウレリア"って名前は今となっては名乗りたくもないのだけどね」


オリバー「じゃあ君は今からヒルダ。ただのヒルダだ。さあ一緒に行こう!」


ヒルダ「いや…一晩考えさせて。もしあなたについていくことに決心がついたら…お昼までに旅の支度を済ませてギルドへ行くわ」


オリバー「わかったよヒルダ。待ってるからね。じゃあまた明日!」


 月明かりが雲で陰ると同時にオリバーは仮面をつけ、その場を去った。


ヒルダ「じゃあね。また…明日」

 独り言のようにそう呟いた。





 ―――翌朝。



 ギルドホールに聖職者の格好をした1人の少女がいた。

誰かを探しているように辺りを見回している。

そしてその"誰か"もそこへ到着した。


ガッツ「もう怪我は大丈夫なのか!?」

 昨日までボロボロだった姿を見ていたガッツは驚いた。


ヒルダ「え、えぇ…まあね。オリバーはその仮面外さないの?」


ガッツ「これがオリバーの冒険者の姿なんだ。そしてこれが俺の!」

そう言ってガッツが腕を広げて鎧を見せる。


ヒルダ「…何か顔を隠さないといけない事情があるのね」


ガッツ「あ、そうだ!俺、ガッツ!よろしくな!」


ヒルダ「私はヒルダ。オリバーに誘われてあなた達についていくことにしたの」


 オリバーの指輪が突然光り、小さな何かが現れた。


ティリル「アタシっ、ティリルっ!妖精っ!よろしくねっ!オリバーの代わりにアタシが喋るからっ!」


ヒルダ「妖精…!?ていうかなんでオリバーが話さないのよ」


ティリル&オリバー『この仮面をつけている時は話せないんだ。でもティリルを介してなら話せる』


 そんな雑談をホールで繰り広げていると

 カイム達4人が近づいてきた。


カイム「君は…昨日の子か…!もう大丈夫なのか!?」

 その時の惨状を知っていれば

 そう言った反応になるのも無理はない。


ヒルダ「ええ。回復のスクロールを使って薬も飲んだからバッチリよ」


ティナ「あんた昨日あんな状態だったんだから休んでたら?」

 


グラフ「ティナ!そう言うな。この嬢ちゃんにも意地やプライドがある!それを守る為にまた挑もうってことだ!そうだろ?」

 グラフはヒルダを庇うように言葉を被せる。

 恐らくティナはいつもその調子なのだろう。


ヒルダ「意地もプライドも別にないけど、オリバーについていくって決めたから。

またあのダンジョンに挑むことになってもね…。

あと…1つだけ言っておくわ。私は聖職者だけど世話できるのはこのパーティだけ。

そちらのことを気に掛ける余裕はないから期待しないでね」


 ヒルダの歯に衣着せぬ物言いで空気が張り詰める。


リード「まあ一先ずここらへんにして、自己紹介でもしていきましょうか。謎の妖精を隠し持っていた人もいるようですから」


 仕切ったかと思いきやリードもしっかり参加してきた。



 全員の自己紹介を済ませ少し雑談をした後、

 再び「異界の喉笛」へと向かった。


 攻略への希望、好奇心、執念…

 様々な思いが渦巻く冒険が再び始まる―――




節目にして仲間が増えましたね。

ヒルダはあっさりとパーティに入ったようにみえますが、

悩みに悩んであまり眠れていません。



ご愛読ありがとうございます。

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