探偵
146話目です。
オリバーたちは町の宿を取り、休むことにした。
『じゃあ僕は町の様子を見てくるよ。
みんなで行くには少し動きづらい町だからね』
「その仮面は外していけよ!
変な奴だって思われたらやりにくくなるからな!」
「そうだね。ありがとう、クラウン」
オリバーは仮面を懐にしまい、町へと出た。
冒険で培った気配を消す技に加え、隠密魔法により、
町民の意識からオリバーは消えていた。
町は未だ事件の話題で持ち切りだった。
殺されたのはこの町でも有力な権力者だったようだ。
そして外部の人間が疑われた理由も何となくわかってきた。
"加護"だ。
皆、口々にその話をする。
"魔法使いと加護持ちはこんなことをしない"らしい。
町の人々の言葉を整理すると、
・魔法使いは偉大
・加護を持つことは当たり前
・加護持たない者は人間性から否定される
・大小様々な加護があり、この世の生まれた者は全員一つ持っている
そうだ。
偏った思想が常態化していた。
町の人間は全員加護持ちで、加護持ちは殺人なんてしないから、
加護を持たない外部の人間がやったという考えなのだろう。
「っていうことみたいだよ。ま、僕の考えも入ってるけどね」
オリバーは町の様子をみんなに伝えた。
「まあこれがこの"世界"なんだよな…。
ガッツとジラトはちょっと生きづれぇとは思うがな…」
「俺なら大丈夫だぜ!
子供の頃から一人だけみんなと違うからさ、
そういう扱いは慣れた!
俺には俺を理解してくれる人がこんなにいるしな!」
「お前は相変わらずいい奴全開だな!」
「そう考えると私たちは全員生きづらい側よね。
クラウンは魔法が使えるかどうかって言いたいんだろうけど、
私が使う魔法…祝福は普通じゃないし、
ネフィアも使える魔法が限られてるし、
ちゃんと魔法を使えるクラウンは……ガイコツだし…」
「好きでこんな姿してんじゃねぇよ!
って、みんなそうか…。
そう考えると確かにみんな生きづれぇよな」
「だが、ガッツの言う通りだ。
我も長らく化け物扱いされてきたが、
そんな我と対話をしてくれたのは、オリバーたちだけだった」
「そうですね。
私も奴隷でしたけど、ちゃんと人として見てくれたのは、
オリバーさんが最初でしたね」
「俺らは俺らでしか理解しあえねーんだから、
余計なこと考えなくていいんだよ!
それより、これからどうするかだよ!」
「そうだね、ガッツ。
"千年竜の背骨"に挑むのはかわりないよ。
だけど、この町の事件も少し気になるんだ…」
「なぜ、誰が、何のために、そして今どこに…ですよね?」
「さすがネフィアだね。
もう何の説明もいらないよ」
「この流れはもう決まってるんでしょ?
私たちはなんだかんだいつも、
解決しないと前に進めないじゃない」
「ありがとう、ヒルダ。
とりあえず犯人を探そう。
動機も何も分からなかったら、
僕たちだって狙われかねないからね」
「よっしゃ!
名探偵ガッツ!絶対に見つけてやるぜー!」
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