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神罰の英雄たち  作者: Anon
閑話ー事件の真相ー

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143/197

永遠

142話目です。

人なんて殺したかねぇ。


そう思っていたのにな。


それを正統化する理由ができちまった。


そっからは案外簡単だった。


物を壊すのと同じだ。


一番簡単に壊れるところを叩けばいい。




俺の仲間はな、全員死んだ。

嵌められたんだ、アイツらにな。

俺も嵌められ、危うく死にかけた。


だが。


永遠の命を手に入れちまった。


自らの"いのち"と引き換えにな。



"刹那の拍"



神がこの世に授けた聖遺物だとよ。


コイツはその中に膨大な生命力を有している。

俺の"いのち"もな。

だが、コイツを身に着けている間は何があっても死なねぇ。


俺は一生…仲間に会えねぇ…。


だからよ、せめてもの弔いに…皆殺しにしてやろうってな。



トゲ付きメイス…センスいいだろ?


命の終わる音が手に伝わってくるんだ。

コイツの重みと一緒に、ズシッとな。


何の変哲もないただのメイスだが、

俺にとったら最高の相棒だ。


そして、終わった。


因縁の相手は全員殺した。

相棒と共に。


だけど…だけどよ…!


だから何だってんだ…!


弔い…?ふざけんじゃねぇ…!


何にも…何にも…ねぇじゃねぇか…!


復讐の先なんてよぉ…!


胸のコイツを捨てれば、簡単に死ねる。


だけど、そんな勇気もねぇ…!


殺しに逃げ、生に逃げる。


これからずっと逃げてばかりの人生なんだろうな。


へっ。人生なんておかしいか。

俺はもう死んでんだからな。


これから先もずっと……永遠に死に続ける。


死という刹那を紡ぎ続けるんだよ。


神様?ハッ!そんなもんクソ喰らえだ!


見守ってくれてんなら、

あんな理不尽なことはなかったんだからよぉ。



「ま、こんなもんだ。

ちと、熱くなりすぎちまったがな」


相変わらず仰向けに倒れたまま、星を見ながら言った。


『まだだよ。

まだ二つ聞きたいことがある』


「…もうなんでも言えや」



『転移魔法陣…意識して使ってるよね?』


「当たりめぇだろうが。

ここらの遺跡関係者は全員アレで移動してる。

ま、どことどこが繋がってるかなんて誰も知らねぇけどな」


『そ、そうなんだ…へぇ〜…』


「で?もう一つは?」


『君の名前を教えてよ』


「覚えてやがったか…。

名前か…。そうだな…」


ガイコツ男は顎に手を当て何か考えている。

名前を言う人の行動とは思えない。


「ヨシ!クラウン…クラウンだ!

どうだ?いい名前だろ!?」


『え…?今考えたよね…!?』


「クラウンなんだよ!名前なんてそんなもんだ!

さ、もういいだろ?しばらくそっとしといてくれや」


『もう復讐は全部済んだの?』


「お前、話聞いてんのか?

ああ!終わったよ!だからもうやることねぇんだ。

人生もまだまだ長い。フラフラと旅でもするさ」


『ふーん。じゃあさ、僕たちと一緒に旅しようよ』


「はぁ!?」


「ちょっと!オリバー!

水差さないようにって黙って聞いてたら何言い出すのよ!

アンタも後ろからゴンッ!といかれるわよ!」


「そうだぜ、オリバー。

確かに良いところもあるけどよ、俺は人殺しとは一緒に行けねーよ」


「ならば、我はここで旅を降りるとしようか」


「なんで…!あ!そうか…!

違う!ジラトは生き延びるのに必死だっただけじゃん!」


「クラウンといったか…こやつも我とそう変わらぬ。

自らを正統化する為に人の命を奪った。

その事実だけはクラウンも我も同じだ」


「ジラト、悪かったよ…。

考えなしにいっちまった。

ほんとにごめん」


「謝るのは我にではない。こやつに謝罪するのだ。

そのような軽蔑は誰も許さぬ」


「…ク、クラウン…その、悪かったよ」


「お前…!ただの良い奴かよ…!

俺は何も気にしてねぇから…!

だからお前も気にすんな!な!?」


「へっ!ありがとよ」


「私の魔力が震えていたのは、この因果のせいだったんですね」


「ネフィアも受け入れてるじゃない…!

まあ、いつもそうだけど、

私がここでどうゴネても結局は決まっちゃうのよね。

オリバー、もう…任せるわ。あなたに」


『だって、クラウン。どうする?』


「お前らの旅の目的もわからねぇのに、ついてけるわけねぇだろ」


『でも、フラフラ旅するんでしょ?

じゃあ僕たちが行く方向にフラフラおいでよ』


「かぁー!ったく!そう来たかよ!

まあちょっと一晩考えさせてくれや。

もう絶対……逃げねぇからよ」


ご愛読ありがとうございます。

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