修行の成果
13話目です。
物語の2章となる学院決闘大会編です。
オリバーは1ヶ月後の大会に向けて、
授業、冒険者、修行に明け暮れていた。
フードの男は無詠唱魔法の応用について沢山教えてくれた。
そして術式の読み解き方や書き方も事細かに教えてもらった。
フードの男との修行は、
座学と基礎訓練と応用訓練の繰り返しだった。
フードの男「1ヶ月間、よく頑張ったな」
オリバー「ありがとうございます、師匠。
明日の大会は必ず勝ちます。どこかで見ていてください」
フードの男「もちろんだ。特等席でみていてやろう」
そして大会当日。
魔法科の全学院生が大演習場に集まっていた。
そして演習場には大勢の観客が見に来ていた。
まずはクラス内でトーナメントを行い、
クラスの代表者を決める。
その代表者同士で今度はリーグ戦を行い、
1位のクラスは高等部の実戦クラスの代表者と、
エキシビションマッチだ。
ちなみに、実験クラスは今回辞退した。
まずは基礎クラスの試合だ。
オリバーは、もはや基礎クラスでは誰も太刀打ちできない。
ここの試合は敢えて詠唱魔法のみで勝利した。
オリバーは編入して間も無いため、
ほとんどの人が存在すら知らない。
そんな無名選手がノーダメージで代表になったことで、
さらなる注目を浴びた。
もし、オリバーがいなければ優勝はカレンだったらしい。
ここから先、
本来は他3クラスによるいじめのような試合が始まるのだが…
今回は少し違うようだ。
次は基礎クラスVS詠唱クラスだ。
オリバー(こっからが本番だ…!)
司会をする者もすごく気合が入っている。
司会
「基礎クラスからは、ダークホース!オリバー!」
「詠唱クラスからは、レイアスだー!」
オリバーとレイアスは互いに向き合った。
司会の号令と共に試合が始まった。
レイアスは得意の詠唱魔法を唱え始めたが発動せず、
すぐに霧散して消えた。
レイアスはいつも通りの魔法が全く使えない。
レイアス「くそっ!なんでだ!もう1回だ…!」
何度詠唱しても魔力が流れず、術式が崩れてしまう。
自分の魔法に必死だったレイアスは、
オリバーが触れるぐらい近くにいることに気づけなかった。
オリバー「これで終わり…」
レイアスの腹に手をかざし、一気に空気を爆発させた。
その勢いでオリバーの身体は少し後ろに下がり、
レイアスは思いっきり吹っ飛んだ。
そのまま壁に打ち付けられたレイアスは気を失ってしまった。
「しょ、勝者!オリバー!」
司会も戸惑うほど一瞬で決まってしまった。
(術式改変に無詠唱はちょっとやり過ぎだったかな…?
次からはちょっと控えよう…)
次は基礎クラスVS魔導書クラスだ。
魔導書クラスはどうやら魔道具クラスに負けたようだがダメージが少なく続けてできるようだ。
司会
「基礎クラスのダークホース、オリバー!!」
「魔導書クラス優等生、メルティナー!!」
司会の紹介が終わり、試合が始まった。
メルティナは先手必勝と言わんばかりに2つの魔導書を開き、
同時に2つの魔法を発動した。
メルティナ「一気にいくわ…」
2つの魔導書のページに書かれているのは、
"ファイアボール"。初級魔法だ。
オリバーも魔導書を取り出した。
今度は相手の土俵で戦うつもりだ。
メルティナが撃ち出すファイアボールを相殺する為、
オリバーも魔導書からファイアボールを撃ち出した。
メルティナの放った無数のファイアボールは、
全て相殺されてしまった。
メルティナ「な、なんで…?あっちは1冊なのに…」
オリバーのファイアボールは普通と少し違った。
威力と大きさを下げて消費魔力量を上げ、
弾速と発動速度と連射速度を上昇させている。
これはフードの男から習った術式改変だ。
オリバー(この子は初級魔法の連射が得意だったんだな)
メルティナ「…もう一度!」
メルティナはもう一度同じ魔法を使った。
そしてまた、全ての魔法がオリバーの魔法によって相殺された。
メルティナ「ダメ…私の負けだわ…。
ねえ、それどうやってるか後で教えてよ…」
メルティナは負けを認めた。
オリバー「いいよ。大会が終わったら教えてあげる。
難しいから覚悟しなよ?」
そうして基礎クラスVS魔導書クラスの試合は、
基礎クラスの勝利で幕を閉じた。
気絶したレイアスが目を覚まさないため、
続きは明日へと持ち越された。
いつもご愛読ありがとうございます。
これからの投稿の励みになりますので、
よろしければブックマークや評価をお願いします。




