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神罰の英雄たち ー神に選ばれなかった少年、神を欺き世界を駆けるー  作者: Anon
初めての冒険編

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13/74

闇商店、再訪

12話目です。

冒険者ギルドを後にしたオリバーとガッツは、

慣れた足取りで怪しい路地裏へと向かった。


ガッツ「よおー!店主!またきたぜー!」


店主「いらっしゃい…ってお前らか」


店主の向かいに人がいた。


ガッツ「おっ?珍しくお客さんか?」


店主「いやぁ、そうなんだよ!

お前らが来てから何故かチラホラと客が来るようになってな!

ありがたいのか迷惑なのかわかんねぇぜ、ッたく…」


そしてそのお客さんもオリバーとガッツの方を見る。


???「ん?子供か?いや、鉄ランク…冒険者か」

そう言ったお客さんは金色のネックレスをしていた。


ガッツ「アンタ、金ランクかよ!!大物じゃん!!」


オリバー(金ランク冒険者もこんな店くるんだ…)


金ランクの客「お前たちも遺物に興味があるのか?」


オリバー(ん?遺物ってなんだ?)

ガッツ「遺物ってなんだ?」



金ランクの客「なんだ知らないのか。

知らないのにこんな所に何の用だ?」



店主「あー、こいつらは遺物には興味はねぇが、

身につけてるものはほとんどその類いだ。

依頼の報酬でなんか買いに来たってとこだろ」


ガッツ「さすが!そうなんだよ!みてよこれ!ジャーン!!」

さっき貰った袋をそのまま見せた。


金ランクの客「これが依頼の報酬か?

鉄ランクにしてはかなり多い気がするが…」


店主「いや!まて!お前らが鉄ランクだって!?

ついこの前まで紙のギルド証だったろうが!

どういうことだ!?」



金ランクの客「紙から鉄に上がるには最低でも3カ月、

普通なら半年はかかる。

それを数日で上げたとなるとなんか裏があるんだな」


オリバー(さすが金ランクだ。何でも知ってそうだな…)


ガッツ「森の奥の調査依頼を受けたんだけど、

間違えて"白蛇"を倒しちまったんだ。

それでいきなり鉄ランクになった!」


金ランクの客「"白蛇"を倒しただって!?たった2人で!?

…いやそんなわけない。ほかにもパーティがいたんだな?」

店主「にわかには信じがてぇな…」


店主もお客さんも信じていないようだ。



ガッツが経緯を細かく説明した。 



金ランクの客「なるほど。まあ信じるしかないか。

あ、そうだ。君たちそこまで強いなら、

君たちが銅ランクまで上がった頃に、

"オレ達"と共同任務をやってみないか?」


オリバーとガッツは顔を見合わせたが、

オリバーが頷いたことでガッツも決心した。


ガッツ「そっちがいいんならいいぜ!

ソッコーで上がってやるから待ってろよ!!」



金ランクの客「いい心意気だ。自己紹介がまだだったな。

オレの名前はカイム。

銅ランクに上がった頃にギルドに託けてくれ。

そうしたらオレらが共同任務を発注する」


ガッツ「俺はガッツ!こっちの無口はオリバー!

まあほんとはもっと喋るけどね!それもまた話すよ!」


カイム「わかった。じゃあオレはいくよ」

2人はカイムの姿が見えなくなるまで見届けた。


ガッツ「さ!疲れたし帰ろうか!」

それを聞いたオリバーも頷く。


店主「おい!!お前ら!!買い物は!?」





そうしてオリバーとガッツの冒険第一弾は終わった。

銅ランクになるまでおおよそ1ヶ月くらいかかる。



オリバーは魔法の訓練をすることにし、

ガッツは騎士学校の授業を真面目に受けることにした。




それぞれの日常へと戻ったのだ。




帰路についたオリバーの背後に覚えのある気配が立った。


オリバー「なんの用?」


「よくわかったな」


オリバー「なんとなくね」


フードの男「だいぶ魔力探知も慣れてきたようだな」

フードの男はまるで師匠かのようにオリバーを褒める。


オリバー「で、なんの用なの?」


フードの男「そんな大したことじゃない。

大会の日程が決まった…。1ヶ月後だ。

それまで少し稽古をつけてやる」



オリバーとフードの男の1ヶ月間の修行と授業が始まった。


いつもご愛読ありがとうございます。

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