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神罰の英雄たち  作者: Anon
北の大陸(後編)

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121/168

真実への道程

120話目です。

「ネフィア…起きてたんだね。

もしかして聞いてた?」


「い、いえ!偶然なんです…。

オリバーさんが出ていくのに気づいて…」


オリバーは焦るネフィアに声をかけた。


「ごめん。起こしちゃったんだね」


「ほ、ほんとに偶然なんですよ!

その……オリバーさん、なんでそんなに強いんですか?

さっきあんな話を聞いたばかりで、もう次のことを考えてる…」



「みんなが守ってくれてるからだよ。

僕が強いんじゃない。

ネフィア、君もその一人だよ」



ネフィアは納得のいかない表情をしていたが、

無理やり腑に落としたようだった。


「…無理はしないでくださいね…。

では、おやすみなさい」


駆け足で2階へ上がっていくネフィアの背中に、

オリバーは小さく「ありがとう」と言葉を預けた。







朝の光が、木々の隙間から小屋に差し込んでいた。


鳥の声が遠くで重なり、森が目覚めていく音がする。


「……寒っ」

最初に声を上げたのはヒルダだった。


寝台の上で身をよじり、毛布を引き寄せる。


「ちょっと、妖精の森ってもっと快適なんじゃないの?

せめて朝くらいはぬくぬくしててもいいでしょ」


「森は甘くありません」

すでに起きていたネフィアが、淡々と返す。


「自然に寄り添うということは、

不便も受け入れるということです」


「それ、今言う?」

ヒルダが半目で睨む。


ガッツはというと、既に外に出ていたらしく、

階下から木を割る音が響いていた。

「おーい!朝だぞ! 腹減って動けねぇとか言うなよ!」


「あなたが一番うるさいのよ!」

ヒルダの怒鳴り声が飛ぶ。


そのやり取りを聞きながら、

オリバーは小屋の入口に立って森を見渡していた。


昨夜と同じ森。 けれど、見え方は少しだけ違う。


――長い旅になる。

そう分かっていても、不思議と足取りは重くなかった。


「……よし」

オリバーが振り返る。

「出発しようか。 遠いけど、行き先は決まってる」


「ほんとにさらっと言うわね……」

ヒルダが呆れたように肩をすくめる。


ネフィアは小さく頷いた。

「でも……迷いは感じません」

 

ジラトも静かに立ち上がる。

「覚悟が定まっておる顔だな」


ガッツが笑った。

「なら決まりだ!」


朝の森に、足音が重なっていく。

こうして一行は、

まだ見ぬ“遠さ”へと歩き出した。




歩き出してしばらくしたところで、

ティリルがふわりと身を起こした。


「……あれっ?」


眠たげに目をこするティリルに、

ヒルダが腰に手を当てる。


「やっと起きたわね。

どれだけ寝てたと思ってるのよ」


ティリルはきょろきょろと辺りを見渡し、

そして、小屋の方を振り返った。


そこに、あの妖精が立っていた。


「行くのだな」


妖精はそれだけ言って、軽く手を振る。


オリバーは一歩立ち止まり、

ふと思い出したように振り返った。


「そう言えばさ」


妖精が目を向ける。


「名前、聞いてなかった」


一瞬の間。


そして妖精は、少しだけ口元を緩めた。


「……ラウルだ」


「ラウルさん、ありがとう」


「無事で行きなさい。

ティリルよ。一つ聞いてくれるか?」


「なにっ?ラウルっ!」


「彼を、オリバーを守るんだよ。

その者に仕えたのなら命がけでな」


「うんっ!任せてっ!」


それだけを伝え、妖精は森の奥へと戻っていった。




オリバーは"心眼の仮面"を装着し、皆を見た。

『さあ、行こうか!』


ご愛読ありがとうございます。

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