表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神罰の英雄たち  作者: Anon
北の大陸編(中編)古代迷宮"巨人の悪夢"

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

109/153

覚醒

108話目です。

そこは、以前とは少し印象が違った。

まるで真昼のように明るいのだ。

それも再訪者故なのか…。


そして敵は明確にそこにいるのに、その異常な見た目から、

何も手を出せずに立ち尽くしていた。


今、攻撃しているのか。

様子を伺っているのか。

そういう意思がないのか。





カイム「どうする…?」



オリバー『どうって…やってみるしかないんじゃない?』



オリバーは、指先に水弾を作り出し、

"巨大な脳"に向かって高速で発射した。


着弾したが反応はなく、効果があるのか無いのかもわからなかった。



カイム「やるな!オリバー!

次はオレの番だ!ふんっ!!」


カイムは片手で剣に力を込め、渾身の刃を振るった。



カイム「弾かれたような手応えはあるが…効いてるのか…?」



ジラト「オリバー!カイム!やめるんだ!」



オリバー『どうしたの!?』



ジラト「どうしたではない!

何故急に"味方同士"でやり合っておるのだ!」



その言葉で急に見ていた景色が変わった。


真昼のような明るさは、次第に元の薄暗さへと変わっていった。


何故気づけなかったのか。

そんな明るい空間でカイムと2人で共闘しているはずもないのに。


全てに気がついた瞬間。

カイムの体に激痛が走る。

オリバーの腹部から血が溢れる。


オリバー『うっ…!なんで…!?』



ヒルダ「今助けるから!ヴァーサキュア!」



オリバーの腹部の傷がみるみるうちに塞がる。



ティリル「カイムは私に任せてねっ!」



カイム「すまない。ありがとう」



オリバー『一体…なんだったんだ…?』



ジラト「幻影を見せられていたのだろうな。

ヤツを目にした瞬間からな」



ヒルダ「ほんと。びっくりしたわよ。

ジラトが止めなきゃ死んでたわよ…?」



オリバー『ごめん…』



"巨大な脳"の幻影により、

オリバーとカイムは攻撃を封じられてしまった。



カイム「……こんなんじゃダメだ……」



オリバー『ねえ、カイム。まだ正気だよね?』



カイム「あぁ。正気だ。

ヤツに攻め気を見せなければな」



オリバーは、魔法で氷塊を2つ作り、薄く細く精錬した。


そのうちの1つをカイムに投げやった。


カイムは受け取った"氷のナイフ"に目をやり、オリバーを見た。


オリバーもカイムを見ていた。


2人の覚悟はその時点で一致した。


カイムは腕がない方の肩に、オリバーは右の太ももに、

その"氷のナイフ"を突き刺した。


ヒルダ「あ、また!?

ちょっと!ジラト!早く止めてよ!」



ジラト「止める必要がどこにある。

これはケジメと覚悟の一撃だ。

そして、これより彼らはもう操られぬ。

まあ、見ていろ」



ヒルダ「そういうこと…?そんなの通用するの…?」



オリバーとカイムの動きは先程までとは違っていた。


2人とも手負いとは思えない身のこなしで、


"覚悟のナイフ"でそのまま"巨大な脳"切りつけていた。


オリバー『さっきまでとは全然手応えが違うね!』


カイム「あぁ!そうだな!」



しかし、敵に全く変化が現れず苦戦していた。



カイム「手応えが…あるのはいいが……」



オリバー『終わりが…見えないね…』



カイム「チッ。ただ痛いだけかよ」



オリバー『多分だけど、やり方が間違ってるんだと思う』



カイム「どういうことだ?」



オリバー『だってさ、こんなに攻撃してるのに、

なーんにも反撃してこないんだよ?おかしくない?』



カイム「確かに違和感はあるが…だからどうしろって言うんだ」



オリバー『コイツが今までやってきたこと、

今も尚、ずっとし続けていることを考えてたらさ、

なんとなく見えてきたんだ。ま、見ててよ』



オリバーはナイフを捨て、両手を広げ、目を瞑った。


再び目を開けると、また真昼の空間に来ていた。


オリバー『やっぱ、そうだよね…』


ゆっくりと"巨大な脳"に近づく。


オリバー『君が知りたいこと全部教えてあげるよ。

その代わり、君の名前を教えてよ』


そう問いかけながら、オリバーは"ソレ"に触れた。



オリバーの今までの知識、経験、選択、そして関係性。

オリバーの全てが"ソレ"に流れ込んでいった。


オリバーの頭の中に声と呼べない声、言葉と取れない言葉が、

ふわりと流れ込んできた。意味がわからないのに、意味がわかった。


オリバー『そうだったのか。あとは任せてよ。

僕が行くまで…』


―――名は、■■■■―――。


オリバー『ん?え?もう一回!』



―――あ……とう―――。



薄れ行く意識の中、最後にどこか心地よい言葉が聞こえた。



ヒルダ「オリバー!オリバー!」


意識のないオリバーに必死に呼びかけるヒルダ。


そして、オリバーの耳にようやく届き…。


オリバー『やあ、おはよう』


ご愛読ありがとうございます。

これからの投稿の励みになりますので、

宜しければブックマークと評価をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ