心の語り合い
106話目です。
ヒルダ「オリバー!目を覚ましたのね!」
オリバー「ガッツ!ガッツ!起きてよ!ガッツ!
ほら!助かったんだよ!だから起きてよ!ガッツ!」
ジラト「オリバー!!」
オリバーは我に返った。
オリバー「ジラト…ヒルダ…。無事だったんだね…」
ヒルダ「そうよ!もう!アンタもね!
心配したんだから!」
オリバー「…そうだ!ガッツが!
目を覚まさないんだ…!
ガッツが…!」
ジラト「わかっておる!説明するから少し落ち着け!」
オリバー「ご、ごめん…」
ジラト「まあ…気持ちも分からんでもない。
お前が一番長いだろうからな…。
一先ず安心せよ。ガッツは廃人にはなっておらぬ」
オリバー「へ?そうなの?
え!でもじゃあなんでまだ寝てるの!?」
ジラト「それは分からぬが…。
しかし、他の奴とは違って本当に"寝ているだけ"なのだ」
オリバー「そうか…そうなんだ…。
一応、無事ってことか…。
でも、ガッツを助けるなら…」
ヒルダ「またあそこに行かなきゃね」
カイム「そして、"アレ"を壊すんだ」
オリバー「カイム…。
え?…"アレ"って……?
あの…!脳か…!」
カイム「そうだ。"アレ"が生き物なのか装置なのか、
まだよくわからないが…
この元凶"アレ"なのはわかる」
オリバー「そうか…」
ヒルダ「ん?どうしたの?オリバー」
オリバー「いや…また行くのかと思ってね…。
考えるだけで足が震える…。
正直言うとね、もう行きたくないんだ」
その瞬間、何かの衝撃が走り、オリバーの体が吹き飛んだ。
そこに佇む隻腕の男の剛腕が、オリバーの顔面を打ち抜いたのだ。
カイム「腑抜けたこと抜かしてんじゃねぇよ!
お前が行かなきゃ誰が行くんだ?
一発で足りないならもう一発食らわしてやろうか!?」
オリバー「いきなり何すんだよ!」
オリバーは風魔法を使って瞬時に体勢を立て直し、
そのまま風の勢いを使ってカイムに跳び蹴りをお見舞いした。
カイム「はっ!そうかよ!そう来るかよ!
表出ろ!弱虫野郎が!」
オリバー「臨むところだ…!」
オリバーはもう一度跳び蹴りを入れ、
カイムを外に吹っ飛ばした。
カイム「くっそ…!速いな…。
これなら…!どうだ…!」
オリバーとカイムの打ち合いが始まった。
そんな事をしなくてもオリバーはわかっていたのだ。
核心を突かれてどうしようもなかった。
恐怖のやり場がなかった。
殴られた怒りに任せてやり返すのが楽だった。
カイムもまたわかっていたのだ。
オリバーは頭が良い。
これまでも頭で解決して来たことは、
昔共に冒険をしたカイムには分かっていた。
オリバーに足りないものも分かっていた。
2人は動けなくなるまで打ち合った。
ヒルダ「はぁ…アンタたち…バカなの…?」
ヒルダとティリルで手分けして、2人の治療をしていた。
ジラト「男という生き物は皆バカなのだ。
オリバーとて、例外ではない。
カイムがいなければ我の手が出るところだったからな!」
オリバー「ちょっと!それはホントに怖いよ!」
カイム「……少しは吹っ切れたか?」
オリバー「…ごめん。僕には反撃する資格なんてないのに…。
でも、受け止めてくれて、目を覚まさせてくれてありがとう。
僕もまだ寝てたみたいだ」
カイム「そんな軽口を叩けるなら大丈夫だな」
オリバー「でも…怖いのはやっぱ怖いよ」
カイム「そんなもの、みんな同じだ。
あれを味わって怖くないなんて嘘だ。
怖いってことは、お前が正気でいるってことだ」
オリバー「そっか。そうだよね」
カイム「もう情報もいらないだろ?
あれの怖さは味わった者が一番よくわかる。
そして一度知ってしまえば怖さはかなり薄れる。
行ってみればわかる」
オリバー「わかったよ。嫌だって言ったけどさ、
それよりもガッツを、ティナを助けたいんだよ。
あの"脳"を壊してどうなるかはわからないけど…
やるしかないよね!」
カイム「その調子だ。今回はオレもついていく。
道中の攻略法はオレが知ってるからな」
そうして、オリバー達3人とカイムは、
"巨人の悪夢"に再挑戦することとなった。
その道中。
オリバー『ねぇ、カイム』
カイム「なんだ?オリバー」
オリバー『なんで今の今まで攻略しなかったの?』
カイム「そりゃあ決まってるだろ?」
オリバー『なに?』
カイム「怖くて行けなかったからだ」
オリバー『え…?』
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