表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神罰の英雄たち  作者: Anon
北の大陸編(中編)古代迷宮"巨人の悪夢"

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

103/150

第二層:幻

102話目です。

オリバー(くっ…!倒しても倒しても、次々湧いてくる…!)


向かってくる敵は多いが、耐久力がないのか、

オリバーの攻撃が当たるとすぐに霧散する。

しかし、矢継ぎ早に次の魔物が襲ってくる。

どこから湧き、何が目的なのかわからない。

霧のせいか気配が読めず、視認してからの攻撃となり、後手に回る。


でも、早く助けにいかなければならない。


打開できない現実と焦りが交互に襲ってくる。



オリバー(みんな…どこにいった…?大丈夫なのか…?)



オリバー『ダメだ!また考えてる!

目の前の敵に集中しろ!オリバー!

みんな!大丈夫!?

ここの敵、多いけど弱いよ!もう少し踏ん張ろう!』


仲間を鼓舞し、そして自分に声をかけながら正気を保っている。



そんなオリバーを見ていたヒルダは絶望しかけていた。


ヒルダ「オリバーが…おかしくなっちゃった…!」



ジラト「オリバー!オリバー!何をしている!オリバー!」



オリバーはヒルダの目の前で、

何もない所を短剣で切り裂き、魔法を放ち、回避行動を取る。

そして、ただの言葉の羅列を叫んでいる。


まるでその姿は、意味もなく歌い踊り狂う操り人形のようだった。



ジラトの必死の呼びかけも届いていない。



ヒルダ「ジラト…もうオリバーを何とか眠らせた方が…」


ジラト「ダメだ。呼びかけには応じないが、狂ってはおらぬ。

我がオリバーの意識を刈り取ったとしても、何の解決にもならぬ。

自ら乗り越える気概がなければ、ガッツも助けられぬ。

……そしてどのみち我らもここで心中だ。

我らにできることは…この声が枯れるまで呼びかけることだ」




オリバー(こんなに疲れだけが来て、何も進まない戦いは初めてだ。

でも、未知の迷宮なんだ。

ここを乗り越えられなかったら誰も助けられない)



オリバーは戦った。

ガッツを助ける、仲間を守るという思いだけを胸に、

無数の敵と、そして疲労と戦った。



オリバー『はぁ…はぁ…。何か……おかしい……はぁ…はぁ…。

こんなに…隙だらけで向かって……。はっ…!』



考えに夢中になったオリバーに敵の魔の手が届く。

死神のような魔物の大鎌が、

オリバーの胴体を横薙ぎに真っ二つに………。




ならなかった。



オリバー『はぁ…はぁ…やっぱり……そうなんだ……』


―――バー!――リバー!―リバー!



ジラト「オリバーー!!」

ヒルダ「オリバー!!」  




オリバー『はぁ…はぁ…。え…?みんな…!良かった…無事で…』

膝をついたオリバーにようやく仲間の声が届き、その存在に気づいた。



ジラト「…オリバー。立てるか?」

 



オリバーはジラトの手を取り、何とか立ち上がった。




ヒルダ「大丈夫…?反転祝福――」



ジラト「ヒルダ!」



ヒルダ「え!?なに!?」



ジラト「やめておけ。

倒れた2人を担ぎながらガッツは助け出せん。

3人の力が必要なのだ。

ヒルダ。気持ちは痛いほどわかるが…我慢できるか?」



ヒルダ「う…うん。たしかにそうだよね。

私も正気のつもりだったけど…影響を受けてたのね。

ごめん、オリバー。助けてあげたいけど……頑張れそう?」

 


オリバー『…大丈夫…だよ…。

足引っ張ってばっかでごめん……。

頑張って歩くから……。

それとジラト。1つだけお願いがある…』



ジラト「なんだ?」



オリバー『ガッツを…見つけたら……担ぐのお願いしていい…?』




ジラト「ふっ…。無論だ」




笑ったジラトの顔がほんの少し歪んだ気がした。


次回、第三層です。


ご愛読ありがとうございます。

これからの投稿の励みになりますので、

宜しければブックマークと評価をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ