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第7話 地上げ屋

「雇うって、クビにされたばかりの人間をか?」


「うぐっ、でも私が解雇されたのは不当解雇なんすよ!」


「聞いてやるから言ってみろ。俺が納得したら考えてやってもいいぞ」


「……上司のセクハラにムカついてぶん殴ったらクビになったっす」


「おっと、思っていた以上の不当解雇……いや、殴ってるから不当解雇ではないか。まあそれなら考えてやってもいいな」


 元諜報機関の人間なら俺の仕事に役立つだろうし、諜報機関故のつても持っているかもしれないしな。


「私はNINNJAの中でも優秀だったすよ!まだ若いのに中忍になっていたっすから!」


「中忍とか言われてもよく分からないしな……」


「NINNJAは入隊すると見習いから始まり、下忍、中忍、上忍となって行くっす。中忍は俗に言う中間管理職で、一応幹部扱いっす」


 18歳で幹部ってかなり優秀なのではないか?育成されて幹部になったにしては、若すぎるから現場からの叩き上げだろうしな。実力はかなりあるはずだ。

 雇うメリットはかなりあるが、デメリットはどうだろう。特にデメリットらしきデメリットはないが、あるとすれば諜報機関に目をつけられる可能性があるってことだけか。

 まあ俺にデメリットが出来れば解雇すればいいだけだし、雇ってみるか。


「いいぞ。雇ってやるから、地上げ屋の場所を教えろ」


「いいっすよ。地上げ屋の根城はあっちっす」


 サイカの後を付いて行ったのだが、その行き先はスラム地区では見慣れた汚くてボロい建物だった。

 地上げ屋相手に法律を配慮する必要はないため、俺は正面玄関から堂々と入った。


「おい、誰だお前?」


「うーん、勇者?」


「勇者が不法侵入してくるわけないだろ!!」


「それもそうだな。まあ地上げをやれなくなるくらいに痛めつけてやるから、覚悟しておけ。あっ、でも今回行っている地上げを止めて、依頼主を教えくれたら、何もしないでやるよ。どっちがいいか選んでくれ」


「相手は2人だやっちまえ!!」


 地上げ屋の中でもそこそこの地位と思われるやつがこちらにナイフを向けてそう指示した。

 ただそいつも含めて武器の扱いや身のこなしが素人同然なので、裏社会の人間というよりは表の人間が職を失った結果やっているみたいな感じなんだろうな。


 最初のうちはいなしていたが、めんどくさくなってきて顔面に一撃パンチをぶつけて終わらせた。指示していた人間だけが気絶せず、それ以外の野郎は気絶してしまったので、そいつに尋問をすることにした。


「おい、お前らに依頼したのは誰だ?」


「この騒ぎを聞きつけてリーダーが帰ってくる。そうしたらお前らは殺される」


「あー、確かここのリーダーは元々裏社会の人間で縄張り争いに負けた結果、スラムで地上げ屋を組織したらしく、実力はそこそこあるみたいっすよ」


「所詮負け犬だろ?」


 結局負けているわけだ。それが実力によるものか、根回しによるものか知らないが、負けているということはどこか足りない所があったって事だからな。


「おい、うちのシマで何やってやがる」


 言葉に裏社会の専門用語が入ってる。サイカの言う通り、裏社会の人間であることには間違いなさそうだ。


「お前が負け犬リーダーか?今回の地上げはどこに依頼されたんだ?」


「……誰が負け犬だって?」


 こいつは静かにキレるタイプなのか。こんなゴツイ男が静かにキレてくるタイプなのは少し驚いたな。


「死にたくなっても殺さねェ。生きているのが嫌になるほど痛めつけてやる!」


「負け犬に負けるほど落ちぶれていないからな」


 俺の言葉を聞いて、こいつは顔を真っ赤にしてブチ切れた。

 そっちの方が戦うのは簡単だから楽でいいな。



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