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勇者は正義感が強いという固定観念はやめてくれ  作者: Umi
第4章 蜘蛛たちのスタンピード編
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第49話 隠れオタクはまだ真のオタクとは言えない

 ルナが家を出て行って一日が経った。

 サイカたちの俺に対する振る舞いは、表面上は変わっていないように見えるが、どこか違和感を感じるようになった。これがサイカたちの変化なのか、俺の感じ方が変わったからなのか、どちらにしても俺にとっては違和感に感じて仕方がなかった。


「マサさん、どこかに行くんすか?」


「おばちゃんの顔を見に行ってくる」


「……いってらっしゃいっす」


 昨日のことを思い出したのか、サイカは顔を暗くしている。ただ俺に対しては何も言ってこない。俺に対する配慮などいらないのだが、まあ俺もサイカの立場なら何も言わないだろうから、サイカに文句は言えないよな。


 そんなサイカたちを家に置いて、俺は一人でおばちゃんの店まで足を運んだ。おばちゃんの店は相も変わらず閑散としており、借金をせざるを得ない状況なのは火を見るよりも明らかだ。


「おばちゃん、元気にしてるか?」


「ああ、私は元気だよ」


「私はって……ああ、店のことか。やっぱり赤字営業は続いているのか?」


「変わらずお客はあんたのところの奴隷だけだからね……まあ何とかやってるから、心配はしなくていいよ」


 心配しなくていいって……これ以上赤字が膨らむのなら、いっそのこと店を畳んで、家として扱うのがいいのでは……と思ったが、そんなっことを最後のお客である俺が進言したら、おばちゃんの心を折ることになり、おばちゃんの意思に関係なく店を畳むことになりそうなので、伝えるのは止めた。


 ただ今から経営状況を黒字営業に変えるのは不可能に近いだろうから、せめて借金をさせないように俺たちがこれまで以上に買い物をするのが、俺たちにできる最大の手助けなんだろうな。


「……これからも色々買いに来るから、店を閉めないでくれよ」


「はい、はい」


 俺のことを子供だと思っているのか?


 俺みたいなのが子供だったら嫌なはずだが、おばちゃんは嬉しそうにしている。まあ嫌な気はしないがな。


 おばちゃんの店をあとにした俺は目的もなく、街中をぶらぶらしていた。意識してないはずだが、ポテスト商会《《跡地》》に来てしまった。そう跡地だ。俺の意識がなくなった後に起こったルナとペシムス商会の男の戦いは商館を跡形もなく消している。商館と会長を失ったポテスト商会はペシムス商会によって完全に飲み込まれたらしい。


 ここまでがペシムス商会の策略だとしたら、俺たちはペシムス商会の掌の上で踊っていたことになるが、流石にここまではよそうできていない――と思いたいな。


「よお、ルナ様に逃げられたらしいじゃないか」


 クロムはルナの父親に仕える騎士だから知ってて当然か。

 煽られたままは嫌だから、俺が握っている弱みをぶつけることにした。


「……ラブカマ」


「なななななななに言ってんだ!!!!!」


 こいつが古いオタク服を着て、メイド喫茶ラブカマに来店していたことを遠回しに伝えてやった。

 いや、慌てすぎだろ。こちらも煽るような気持ちで言ってやったが、ここまで効いているとなると、逆に心配になるな。


「はあはあ、ラブカマなんてメイド喫茶なんて知らないぞ」


「……誰もメイド喫茶なんて言ってねえぞ」


 ここにもポンコツが居た。

 俺の周りにはポンコツが集まってくるが、そういった星の元に生まれたのか……。


「マサさんもポンコツっすから! 似た者同士っす!!」


 あー、疲れているんだな。幻聴が聞こえてきた。


「幻聴じゃないっす!!」


 流石にここまではっきり聞こえる幻聴はないだろ。と思い、声の聞こえた後ろへ振り返った。そこには家に居た時よりも元気なサイカの姿があった。


 ……いつも自然すぎるからスルーしていたが、お前俺の心の声を読みすぎじゃね?


――あとがき――

サイカの元気は空元気なのか、それとも良かったことがあった元気なのか、次回真相が明らかに!!


まあ真相ってほど深い話じゃないんですけどね。


告知していた通り隔日投稿に変わりますので次回は明後日、3/29日朝7時になります。

皆様に☆や♡を押していただけると、クロムのオタ活が捗りますのでお願いします。

サイカの元気は空元気なのか、それとも良かったことがあった元気なのか、次回真相が明らかに!!


まあ真相ってほど深い話じゃないんですけどね。


告知していた通り隔日1話投稿に変わりますので次回は明後日、4/16朝7時になります。

皆様に☆やブックマークを押していただけると、クロムのオタ活が捗りますのでお願いします。

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