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第22話 ひと狩りいこうぜ!

「マサさんも働いてくださいっす!」


「なんだ藪から棒に」


 俺はリビングのソファに寝転んで優雅な平日を過ごしていたって言うのに、やかましいサイカのせいで一気に気分が落ちたじゃねぇか。


「ルーダさんもカエデちゃんも家事をしてるっすから、家の主人がだらけてたら示しがつかないっすよ!!」


「いいんだよ。俺は外で稼いきて、家を守るのはお前らの役目だ」


「昭和の男みたいなこと言うなっす!! いや、昭和ってなにか分からないっすけど!!」


「何言ってんだお前。……まあ、そろそろ貯金も減ってきているから、働くつもりだったが」


「いや、働くつもりだったんすか!? 初めから働いていれば、私がここまで喉を酷使する必要なかったじゃないっすか!!」


「そもそも喉を酷使する必要は無いがな」


 本来俺の貯金はあと1ヶ月は持つ計算だったんだがなぁ……こいつとあの激ヤバ娘のせいでウチの家系は出費が倍以上になっちまった。


「誰が激ヤバ娘だァァ!!」


 人の顔に飛び蹴りを躊躇なく入れられる奴を激ヤバ娘と呼ばずになんと呼べばいいんだよ。

 俺は毎度の如く壁まで蹴り飛ばされた。激突の衝撃で、とあるアイディアが頭の中に降りてきた。


「金のためだ。ひと狩りいこうぜ!」


「……いや、特に問題はないと思うっすけど……なんか止めておいた方がいいセリフな気がするっす」


「ただ俺はモンスターを狩りに行きたいだけだぞ」


「そこがダメなんすよ! 今の時期は特にダメっすよ。モンスターを狩るなんて、あれしか想像させないっすよ。あれってなにか分からないっすけど」


 モンスターを狩るのなんて日常だろ。モンスターを狩って、そのモンスターの素材を剥いで、装備を整える……うん。普通の日常だ。


「お前らも行くか?」


「……行く」


「ご主人様が居るのであれば、私もついて行きます」


「あれ? なんか全員やる気なんすけど? ルナと違って二人は戦闘狂じゃないはずっす!!」


「狩猟解禁は人を狩りに掻き立てるんだろう」


「狩猟解禁って言っちゃったっす! 年中モンスターを狩れるっすから、解禁も何もないのに!!」


 確かに狩猟解禁の前に狩猟禁止の時期なんてないな。


「よし、寝ているルナは置いて狩猟場に行くか! そうだな……“モンスターとファイトするワイらで”だから略して……」


「いや、いや、ツッコミどころ満載っすよ!! そして嫌な予感がプンプンするっすよ!!」


「モンファンワイラズだ!!」


「やっぱり! 変なもじり方して余計に怒られそうっすよ! そもそもファンの【ン】とワイラズの【ズ】はどこから来たっすか?」


「ズは俺“たち”で行くから、複数形ってことでいいだろ」


「ワイらの【ら】で複数の意味があるっすから、二重の意味で複数になっちゃうっすよ!!」


 うっ、ポンコツお馬鹿のサイカに論破された、だと!? うわぁ、すごい自慢げで、鼻が伸びてる幻覚が見えるぞ。


「……それで【ン】はどういう意味なんすか?」


「あー、それは何となく?」


「何となくでモンハ○ワ○ルズって言ったんすか?」


「いや、言ってねぇよ!? そんなハッキリと名前を出すわけないだろ! 俺が言ったのはモンファンワイラズだ!! まあいい、狩猟場に行くんだ。お前らも着替えておけ」


「……なんか、嫌な予感がするっすけど、一応着替えてくるっす」


 サイカたちは着替えるためにそれぞれ自室へと消えていった。俺も着替えるか……



「やっぱりっす!! なんすか、その服装はぁ!」


「狩猟と言えばこの格好だろ」


 確かに俺は全身チグハグな見た目をした装備を着ている。これが狩猟において最適なんだから、チグハグになっちまうのは当たり前だろ。


「そして、ルーダさん!!」


「なんでしょうか?」


「ランスを使うなんて、上級者っすよ!!」


「……慣れたものです」


「ランスに慣れている商人なんか聞いたことないっすよ!!」


「……今は奴隷なので、およよ」


「分かりやすい嘘泣きは辞めるっす!! 美人は嘘泣きでも心に来るっすから」


 ……言ってることは分かる。美人の泣き顔はグッとくるものがあるよな。


「次にカエデちゃん!!」


「ヒッ!」


「ごめんっす。怖がらせるつもりはなかったっす!」


「……だいじょうぶだよ」


「こんなにもか弱そうなカエデちゃんが、なんでこんなに大きいハンマーを持っているんすか!! 可愛らしいカエデちゃんは、狩猟笛を持って後衛をやった方がいいっす!!」


「人に武器を押し付けるなよ」


「逆に!! 勇者であるマサさんが狩猟笛ってどういうつもりですか!!! 片手剣とか、太刀とかがお似合いっすよ!!」


 酷い押しつけだな。

 だが、狩猟笛もいい武器だろ。ヒーラーも攻撃も兼ねられるんだから、普通にいいだろ。


「……人に文句ばっか言っているが、お前は何の武器を使うんだよ?」


「操虫棍っす!」


「カッコつけかよ」


「なっ……全国の操虫棍使いに謝るっす!!」




モンファン編続きます。

私はモン○ンにわかなので、設定が甘いところがあるかもしれませんが、お許しください。

いや、作中でモ〇ハンの話はしていないので関係なかったです。


ちなみに飛び蹴りをしたルナはその後直ぐに寝ています。クズみたいな生活ですね


皆さまに☆やブックマークを押して頂けますと成功報酬が上がりますのでよろしくお願いします。

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