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夢だと思っていたら現実だった件 ~死にたくないのでソウゾウリョクを駆使して全力で抗います~  作者: 神子島 航希
第2章 動き始める日常

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EX.莉緒の夢 2

 待ち合わせ後、先輩に魔法を見せられ、否が応でも異世界の話を信じる事となった私は、興奮冷めやらぬまま、先輩の実家にお邪魔し、妹の真由ちゃんも交えて魔法・魔術考察に花を咲かせます。


 途中から、理想のMMORPGの考察になってしまい、先輩は呆れて寝てしまいました。先輩が寝た後もしばらく理想のゲーム話に花を咲かせ、ひと段落ついたところで


「でも、本当に莉緒ちゃんの会社から新作のゲーム出すの?それもVR。」


「いずれはね。私の夢だから。フルダイブ型VRMMORPG。子供の頃、あの小説を読んで憧れちゃったもん。流石に茅〇ほどの頭脳は持っていないから、未だ実現できていなけど、量子コンピューター開発も大分進んでいるし、10年内には実現させるつもり。」


「すごいなぁ。私は専らやる専門だから憧れちゃう。出来上がったら真っ先に買うからね。」


「ありがとうございます!でも、まだまだ越えなきゃならない壁は幾つもあるけどね。技術的にも、法整備的にも。」


 そう。私には夢があるのです。忙しい毎日で忘れかけていたけれど、フルダイブ型VRMMORPGを自らの手で作り上げるという、他人が聞いたら鼻で笑うような夢です。それが分かっているので、誰にも話したことは無かったのですが、大学時代、酔った勢いで先輩にポロっと漏らしてしまいました。


 あぁ、引かれて笑われるかなぁって思っていたのですが、


「いいじゃん、でっかい夢があって。ウチの妹と話合いそうだな。今度会ってみるか。」


 と、素直に認めてくれたのです。不覚にも感情が溢れて泣いてしまい、先輩を困惑させてしまったのは内緒です。そして、そこから意識するようになりました。


 そんな風に昔の事を思い出していると、席を外していた真由ちゃんが両手に缶酎ハイを持って、


「と・こ・ろ・で、お兄とはどこまで進んだの?」


 と、1本渡しながらいきなりブッ込んできました。丁度、思い出していたこともあり顔が熱くなるのが分かります。


「な、な、なんですか。いきなり。先輩とは何もありませんよ。」


 と、思わず受け取り気を紛らわせるために一気に飲んでしまいます。


「またまた~、久しぶりに会っているみたいだし、こんな時間まで飲んでいるし、なんか進展があったんじゃないですか~?」


 ニヤニヤしながら更に突っ込んでくる真由ちゃん。


「ほ、本当に何もないんです。今日も急に呼び出されただけですし、こんな時間になったのも愚痴を聞いて貰っていただけなんだよ。」


「え?マジ?もう!あの朴念仁は。何をやっているかな。こんな可愛い子をほったらかして。起こしてくる!」


「ダメダメ!私はいいから。落ち着いて。ね。ほら、私、可愛くないですし、先輩にもお情けで相手にして貰ってるだけだから。」


「そんなことない!莉緒ちゃん!莉緒ちゃんは前髪上げて、眼鏡外したらメチャクチャ美少女だから。絶対にコンタクトにした方がいいよ!」


「うーん。昔はコンタクトにしていたけど、仕事上画面ばかり見てるから目が疲れるんだよね。忙しいから髪の毛とか切りに行く時間もないし・・・。」


「え?まさか、その髪、自分で切ってるって事はないよね・・・。」


「流石にそれはないけど、大体1,000円カット。安いし早いし・・・。」


「・・・莉緒ちゃん、流石にそれもないわ。わかった!今日はおすすめの美容院とかコスメとか教えるから、自分を変えよう!朝まで徹底的にやるよ!」


「え?いや、私、昨日も徹夜だし、今日は流石に寝たい・・・。」


「ダメ!ゲームする時はニ徹や三徹普通にするでしょ!私、明日午後からの講義だし莉緒ちゃんもフレックスでしょ。大丈夫!いける!いける。」


 もう、この兄妹マイペースすぎー!


 ・・・私の夢。本当に異世界があるのなら、フルダイブ型VRMMORPGどころか本物の異世界に行けるのかな。行ってみたいな。


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