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夢だと思っていたら現実だった件 ~死にたくないのでソウゾウリョクを駆使して全力で抗います~  作者: 神子島 航希
第2章 動き始める日常

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40.アイドル転生者

 扉から出てきたのは、背の高い青年だった。スーツを着こなし甘いマスクでアイドルのようだ。


「どっかで見た事あるな。」


「え?本気で言ってます?今飛ぶ鳥落とす勢いの5人組アイドルユニット「G-Ansekix(ジーアンサックス)」の橘レオンですよ。子供からお年寄りまで幅広いファンがいて、テレビでメンバーを見ない日は無いと言われてるアイドルですよ。」


「あぁ、名前は知らんけどテレビで見た事あるわ。」


「エンタメ興味無さすぎですね。それは置いておいて、まさかレオンが転生?経験者なのですかね?」


「ここで出てきたという事は、そうなんだろうな。」


 そんな話をしていると、レオン何某はスーツの上着を脱ぎMCに預けて、スタジオの端に立った。スタジオの反対側には、なにやら的の様な物が用意されている。的の後ろには壁一面にビニールシートが張られている。


「おいおい、まさか、攻撃魔法が撃てるのか。」


「え?それって・・・」


「ああ、俺も実際に見た事は無いが、それが出来たら向こうで貴族確定だ。」


 そうして、レオンは徐ろに顔の前に人差し指と中指を立てて、目を閉じて何やらブツブツと呟き始めた。

 声が小さくてマイクが何を言っている拾いきれていない。


「何て言っているか分かりますか?」


「いや、聞き取れない。だが、聞き取れたとしてもテレビ越しだと何を言ってるか分からないだろうな。」


 そうして、目を見開いたレオンが、的を指差した瞬間指の先に魔法陣が発生し、そこから青白い矢のような物が飛び出し、的へと飛んで行き、的の端を吹き飛ばした。


 的に当たり損ねた矢は、後ろの壁に当たり水飛沫を振り撒いて弾けた。


「水の矢、ウォーターアローってところでしょうか。」


「ああ・・・そうだな。くー!良いなあ!攻撃魔法。」


 魔法を打ち終えたレオンが、預けていた上着を着てMCの隣りに立った。スタジオのコメンテーター達は呆然としている。


「いやー、外しちゃいました。すいません。」


 カメラに向かって顔の前で合掌して頭を軽く下げるレオン。甘いマスクと愛嬌のある仕草がファンの心を鷲掴みにしそうだ。しかし、コメンテーター達には魔法が衝撃的過ぎて見えていないらしく、テレビの収録を忘れて各々好き勝手に質問をしだした。


 MCのアナウンサーが収録を進めようと、皆を宥めスタジオを落ち着かせる。本来であれば一緒に騒いでもおかしくないのだが、恐らく事前に魔法を見せられていて落ち着いていられるのだろう。


 皆が落ち着いたところで、アナウンサーが順を追って質問をし、台本が用意されているのだろうかレオンが澱みなく答えていく。


 レオンの話を要約すると、先週末に夢をみた。そこで自分は15歳の子供になっていて、大きな屋敷に住んでいた。最初は訳が分からなかったが、何故かその子供の記憶が頭の中にあり、ここが地球ではない世界という事が分かった。


 夢かと思ったが、五感に感じる感覚はどれもリアルでとても夢とは思えなかった。魔法はその子の記憶の中にあったので使うことができた。向こうの世界で1週間過ごしていたら、またこちらに戻ってくる事ができた。驚くことに7時間しか時間が経っていなかった。


 そんな荒唐無稽な話をテレビで流しているが、先に魔法を見せられているので誰も反論できない。いや、理解が追い付かないのだろう。そしてMCのアナウンサーが最後の質問をした。


「なぜ、この事を公開しようと思ったのですか?」


「エンターテイナーとして、話題を振りまこうという気持ちが無かったと言えば嘘になりますが、一番の理由は今SNSで噂になっている魔法の動画です。僕と同じ体験をした人がいるんだと思った時に、思いついたんです。他にも同じ体験をした人がいるのか、その人は困っていないのか。向こうでは通信技術が発展していません。でも、こちらならどんな所に居ても連絡が取り合えます。こちらで連絡を取り合って情報交換をして助け合えればと思ったんです。」


「でも、レオンさんが連絡先を公開したら、色々な人から連絡がきて収拾が付かなくなるんじゃないですか?」


「はい。ですから連絡方法に条件を付けます。向こうで住んでいる国を明記してください。向こうの僕はそれなりに教育を受けていて、向こうの世界の国の名前を把握しているので、関係ない国名はシャットダウンできると思います。数を送れば当てずっぽうが当たるかもと思っている方も、ハズレの国名を書かれたメッセージは容赦なくブロックしますのであしからずです。


 リオンたん連絡待ってるよ!」



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