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夢だと思っていたら現実だった件 ~死にたくないのでソウゾウリョクを駆使して全力で抗います~  作者: 神子島 航希
第2章 動き始める日常

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36.魔力感知の実験

 莉緒が遅い朝食を食べ終わった後、身支度を整えて、再度師匠宅へと伺い、出発の挨拶をした。


「突然押し掛けてすいませんでした。色々とお世話になりました。」


「よかよか!また、遊びにこい。待っちょっでね。」


「そうよ、祐希ちゃん。真紀も喜ぶからまた、おいで。」


 2人の優しさが身に染みる。真紀は既にヨガ教室の準備に行った為、ここには居ない。


「莉緒ちゃんも、何もない所だけど、水と食べ物は美味しいから、また遊びに来てね。」


「お食事とても美味しかったです。ご馳走様でした。」


 こうして、星野家を後にした俺達はまずは車で丸池に向かった。


 丸池は元栗野町の中心街にある湧水池で、湧水町の由来ともなっている。透明度の高い池で、ちょっとした高台に東屋があり、夏場は景観も合わさって涼を取ることが出来る。


 丸池に向かう車中で、昨日の夜の顛末を莉緒に話す。


「・・・先輩って、偶に無謀ですよね。下手したら死んでたかもしれませんよ。」


「おいおい脅すなよ。そこまでは無いだろ。」


「いえいえ、未知の能力なんですよ。何が起きるか分からないのに、簡単に試すなんて私でもしませんよ。」


「気になったんだから仕方ないだろ。ま、結果オーライだろ。さ、着いたぞ。」


「早っ!」


「そりゃあ、本当なら朝食前の散歩で来ようと思ってたところだからな。」


「申し訳ございません。・・・うわあ、綺麗。本当に水底が丸見えですね。」


「屈折で浅く見えるけど、2〜3mはあると思うぞ。」


「え?そんなに深いんですか?腰くらいの深さかと思いました。」


「潜った俺が言うだから間違いない。」


「え!?潜ったんですか?でも、あそこに遊泳きん・・・。」


「む、昔な!若気の至りだ。つっこむな。」


「先輩も意外と悪ガキだったんですね。」


「この辺じゃ普通だよ。普通。で、魔力感知について何か分かるか?」


「先輩の考察の通り、大気中の魔力を視認しようとした事で派生したのでしょうね。本来は長年かけて魔力との親和性を高める事で、手に入るスキルの様な気がします。先輩は察知スキルを拡大解釈して、無理矢理察知しようとして、余りの情報量に脳がパンク寸前になったのではないでしょうか。最悪、脳死してたかもしれませんよ。」


「そう聞くと、物凄く無謀な事したみたいに聞こえるな。」


「無謀なんですって!スキルを使用している間、どんどん魔力が減っているのも、現在のスキルレベルに見合っていない能力って事だと思います。身の丈に合わない力は、身を滅ぼす事があるのがラノベの定番です。気を付けてください。」


「あ、ああ。気を付けるよ。」


 そんな話をしながら、高台の東屋に着いた。


「さて、では少し実験をしてみましょう。先輩、一瞬でいいので、ここで魔力感知を使って貰っていいですか?」


「え、今気を付けろって言ったのに、いきなり前言撤回?」


「気を付けて使うんです。使い方を間違わなければ絶対に有用なスキルですよ。」


「わかったよ。で、一瞬使ってどうするんだ?」


「昨日の夜と比べて何系の色が多いか確認して下さい。分かる範囲でいいです。無理しないで下さいね。」


「ああ、分かった。スー、ハー、」


 俺は目を閉じて、深呼吸をして精神集中をし、魔力感知のスキルを使った。


 一瞬で視界が色鮮やかになる。直ぐに目を閉じてスキルを切る事に集中する。


「ぷはぁ、中々慣れないな。だが、昨日との違いは明確だったぞ。」


「青系が断然多かった?」


「そうだ。なんだ、分かってたのか。」


「この辺りの状況から推察しました。やはり、魔力感知は周囲の魔力の属性を視認出来るスキルのようですね。この辺りは、私でさえ分かるくらい瑞々しい空気です。水属性と言えば青ですからね。」


「その通りだ。あと、緑が多く見えた。上の方には明るく輝く白っぽい色だな。赤系の色は殆ど見えなかった。」


「緑はなんでしょう。風?そのまま緑?白は光でしょうか。赤系が無いのは予想通りですね。では、次の段階にいってみましょう。」


 莉緒が段々興に乗ってきた。無茶を言い出さないか気を付けよう。


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