表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢だと思っていたら現実だった件 ~死にたくないのでソウゾウリョクを駆使して全力で抗います~  作者: 神子島 航希
第2章 動き始める日常

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

71/110

20.金銭感覚

「ただいまー」


「おかえりなさい。先輩。ご飯にします?お風呂にします?それとも、わ・た・・・」


「いわせねーよ!」


 軽く頭にチョップをして止める。


「いったー、冗談じゃ無いですか。あ、でもお風呂は沸かしてありますよ。あと、惣菜ですけど夕飯と用意してあります。」


「お、どうしたんだ。珍しい。」


「いや、流石に上げ膳据え膳で、居候も不味いかと思いまして、はい。」


「良い心掛けだ。じゃあ風呂入って来るわ。今日は飲みたいし。」


「お付き合いしまーす。あ、もちろん晩酌ですよー。もしかしてお風呂かと思いました?いやらしい。」


「言ってろ。とりあえず入ってくるわ。」


 サッサと風呂に入る。風呂から上がりサッパリしてリビングに入ると、テーブルに刺身盛りや馬刺し、サラダや各種チーズやベーコンのオードブル、唐揚げや海老フライの揚げ物の盛り合わせが置いてあった。


 莉緒はタブレットをスワイプしながら何かを眺めている。


「なんだ、なんだ。また、豪勢だな。なんかあったのか?」


「いえ、久しぶりにスーパーに行ったら、あれも食べたいコレも食べたい目移りしちゃって、結局全部買っちゃいました。」


「コレだから大学出てすぐの会社役員様は・・・金銭感覚がズレとる。お前はもう少し常識を学べ。普通のサラリーマンはな、こんないっぺんに惣菜は買えないんだよ。普段何食ってんだ?」


「仕事の時は面倒なので、買いだめしてるカロリーバーとエナジードリンクです。休みの日はウーバーで適当に。」


「うん、マジ体壊すわ。・・・決めた。ここにいる間に自炊出来るように鍛えてやる。異論は認めるが、その場合は魔法関係はお預けな。」


「ぐぬぬぬ。よ、よろしくお願いします。」


「うむ。じゃあ、勿体無いしコレはありがたく頂くか。と、言っても、コレを全部食べきるのは無理だな。日持ちしそうな物は、タッパーに入れて冷蔵庫、冷凍庫に入れておこう。明日の朝食と昼飯だな。」


 俺はキッチンからタッパーを持ってきて、取り箸でパパっと取り分けてしまう。サラダも半分は明日の朝食でいいだろう。


 生ものは残して、火が通った物は冷蔵庫にしまい、席についた。


「では、いただきます。」


「いただきます。」


 プシュっと缶ビールのプルタブを開け、グイッと一気にビールを流し込む。


「ぷはー、美味い!」


「先輩、それオッサンくさいです。」


「いいんだよ。俺もアラサーだ。十分オッサンの仲間入りだ。で、何見てたんだ?」


「昨日のスレッドを流し読みしてました。」


「なんか目ぼしい情報でもあったのか?」


「いえ、今のところ有力な情報はありません。偶に、自分も異世界に行ったというレスがありますが、全部出鱈目ですね。」


「なんで分かるんだ?」


「すぐに誰かが詳細を聞くのですが、内容が見当違いなものばかりです。私達はそれが分かりますが、スレ民は分からないので、辻褄が合っているぽい話に盛り上がるのですが、魔法を見せろの話の流れになると消えてしまいますので、釣りだったかが、一つの様式美になりつつあります。」


「じゃあ、情報収集は失敗か?」


「いえ、今はまだ掲示板界隈で盛り上がっているだけです。今、Yにも飛び火していますので、コレから一気にバズる可能性があります。そうすれば情報量は桁違いになると思いますよ。」


「それを一々チェックするのは大変じゃないか?」


「そこは抜かりありません。あちらの部屋に置いたPCに、言語検索AIプログラムを組込みました。Yからイン◯タ◯Tik◯ok等あらゆるSNSを監視させて、先輩から聞いた、向こうの世界の都市名や国名、人物名が書き込まれると、ピックアップして保存、追跡するように仕込みました。スレッドにも固有名詞は出していませんので、向こうの固有名詞が出れば当たりの可能性が高いです。」


「・・・お前、やっぱスゲーな。頼って正解だったわ。」


 そう言って、俺もスマホでスレッドを覗きに行く。おお、すげー。既に15スレまでいっている。ん?


「そんな褒めても何も出ませんよ。テレテレ・・・って、何見てるんです?」


「ん?俺もスレッド覗いてみようかと思って。そしたらなんか変な固有名詞が出てきて、過去ログ見てるんだわ。」


「せ、先輩が気にするような事じゃ無いですよ。さ、さ、ご飯早く食べちゃいましょう!」


 はい、ダウトー。


お読みいただきありがとうございます。評価・ブックマーク頂けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ