14.モニタリング方法
莉緒が風呂から上がってきたので、リビングのテーブルに配膳して、夕飯を一緒に食べる。
「で、あのパソコンはなんだ?」
「今まで会社で使ってたサーバーPCです。増資して資金が増えたんで、PCを更新したんです。お古を格安で買い取りました。型落ちですけど、そんじゃそこらのゲーミングPCより性能いいですよ。」
「いや、そうじゃ無くて、その性能のいいパソコンが何故ここにあるんだ?」
「持ってきたからです。」
「怒るぞ。」
「すいません。先輩がこちらと異世界の行き来を考察していたじゃないですか。私もパターンを考察してみたんですが、確かに定期的に行き来出来るパターンが確率的に高いのではないかと推察します。なので、こちらにいる間と、向こうに行っている間の、先輩をモニタリングしてパターンの割り出しと、前兆等が分からないか確認したいんです。」
「え?俺寝ている間電極ペタペタ体に貼られるの?やだなー。」
「先輩。今はそんな事しなくても心拍から脳波まで測れるんですよ。はい。」
そう言って莉緒はスマートウォッチと小さなエレキバンの様なシールを2枚渡してきた。
「そのシールが電極になっています。それを左右の耳の後ろの首筋に貼って下さい。そのスマートウォッチは暫くの間、寝る時も常に付けておいて下さい。」
俺は言われた通り、シールを耳の裏に貼り、スマートウォッチを付け替える。
「そのシールとスマートウォッチが連携しているので、先輩のスマホとスマートウォッチをBluetoothで繋いで下さい。あ、後このアプリをダウンロードお願いします。」
そう言って1つの2次元コードを差し出してきたので、スマホで読み取りダウンロードする。
「私が言うのもなんですけど、躊躇ないでね。」
「何年の付き合いだよ。今更だ。なんだ、何か仕込んでるのか?」
「いえ、私が組んだモニタリングアプリです。心拍、体温、消費カロリー計算値、脳波が計測されて、10秒毎にスマホに送られた情報を表示記録します。スマホにはメモリの関係上1週間分は残せて置けるんですけど、それではデータが少なすぎるので、このPCにも記録できる様にしておきます。なので、このPCを置ける部屋を貸して下さい。」
「データ送れるならお前の部屋でも良くな・・・」
「私の部屋じゃ、もうスペースが無いです。ただでさえ積みゲーや読めてない漫画で一杯なのに、デスクトップPCなんて置くスペースありません!」
「トランクスペースでも借りろよ。」
「既に4つ位借りてますが間に合いません。」
「そんな資金があるなら広い家でも買えよ。」
「維持する能力がありません!」
「潔いなぁ!」
「なので、部屋プリーズ!」
「わかったよ。どうせ使って無い部屋が後2つあるから1つ使え。」
「アザーっす!あ、後、今週はずっとこの家にいますからよろしくお願いします。」
「うん、勝手だね。てか、泊まるつもりなのに着替え持ってきてないってどう言う事?てか、なんで泊まるの?」
「お風呂入ってる時間があったら検証や考察進めたいです。お風呂はキライでござる。1週間くらい入らなくても死にはしないでござる。あと、泊まる理由は今週末が異世界に行く可能性が高いので、寝ている間のモニタリングが目的です。」
「泊まる理由はマトモだったが、前半がダメダメだわ。泊まる条件は毎日風呂に入る事と着替えを取って来る事だな。」
「えぇー。・・・わかりました。仕方ないですね。それで、寝ている間のモニタリングには、この定点カメラをベッドの周り2ヶ所設置します。」
「今週末は1泊2日で出掛けるど、その間はどうする?」
「え、聞いて無いんですけど。何処行くんですか?異世界飛ぶかもしれないのに無謀な。」
「言ってねぇし。金曜有給取って鹿児島の湧水町に行ってくるわ。飛ぶとしたら間隔的に土曜の夜が最短じゃないか?まあ、飛んだとしてもこっちでは寝てるだけだしな。」
「楽観的ですね。検証も何も出来て無いのに・・・。湧水町って生まれ故郷でしたっけ?・・・私も行っていいですか?」
「付いて来てもいいけど観光するところなんて何も無いぞ。あと、仕事はいいのか?」
「モニタリングの為です。泊まるのは旅館ですか?ホテルですか?仕事はリモートでどうとでもなります。」
「旅館なんて無いわ。インター前のビジホだ。田舎だし、俺の記憶では常にガラガラだったから飛び込みでもいけるだろ。」
小旅行に莉緒も付いて来る事なった。
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