表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢だと思っていたら現実だった件 ~死にたくないのでソウゾウリョクを駆使して全力で抗います~  作者: 神子島 航希
第2章 動き始める日常

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

62/109

11.フルスイング

 スマホのアラームの音で目を覚ます。魔力枯渇で熟睡?(気絶)出来ているので、凄くスッキリしている。


 身支度を整え、ご飯を炊く準備をして、ウォーミングアップを始める。なるべく1日おきに走るようにしている。


 いつものコースを1時間程走って、家に入る前に野菜達に水遣りをして、小松菜ときゅうり、トマトを収穫して家に入る。炊飯器と洗濯機のスイッチを入れて、シャワーを浴びる。シャワーを出る前にバスタブを洗い、帰ってきたら湯を張れるだけにしておく。


 手早く味噌汁を作りながら、今日の弁当を仕込む。卵焼きとウィンナー、後は冷凍のミニハンバーグ、小松菜ときゅうりを細切りにして、胡麻油とみりんで味付けする。炊き上がったご飯を、そのままおにぎりにすると、衛生的に怖いのでラップの上に広げて冷ます。


 冷ましている間に、洗濯物を干して朝食を済ませる。朝食はご飯、味噌汁、弁当用の残りの卵焼きとウィンナーだ。食べ終わった後、片付けをして、冷めたご飯をおにぎりして、家を出る。


 実家に車を停めて、電車に乗り継ぎ出社する。

 自分のデスクに着いたら、立花さんにメールを送っておく。さて、業務を開始しよう。


 足立は相変わらず、始業時間ギリギリに来て、ブツブツ言いながら仕事をしている。

 暫く仕事をしていると、立花さんが俺の後ろを通り過ぎながら、肩に手を置き耳元で、


「ありかと。」


 と、囁いた。ビックリして通り過ぎた立花さんを見上げると、軽くウィンクして颯爽と歩いていく。

 うーん、クールビューティ。


 暫く見惚れていたが、慌てて仕事に戻ろうと正面を向くと、向かいにいる足立が物凄い形相でこちらを睨んでる。


「お前、茜ちゃんと、どういう関係だよ。」


「え?誰ですか?茜ちゃんって。主任の行きつけのキャバクラのキャバ嬢ですか?」


「そっちじゃねぇよ。立花茜ちゃんだよ。なんだよ、さっきのやり取りは。」


「あぁ、立花さんの事ですか。下の名前で呼んだ事無かったので気付きませんでした。主任、女の人を下の名前とか「ちゃん」付けで呼ぶとセクハラで訴えられますよ。ハラスメント講習受けましたか?」


「んな事はどうでもいいんたよ。どういう関係なんだ。肩に触れて囁かれて、羨ましぃ。」


「どういう関係も何もただの同僚ですよ。肩にゴミが付いてたから、取ってくれたみたいです。」


「本当かぁ?それにしては距離が近かったぞ。茜ちゃんは俺が狙ってるんだから取るなよな。だけど、肩にゴミはいい手だな。後でやってみるか。」


「ですから、不意に触ったりするのもセクハラですよー。捕まりますよー。って、聞いてない。」


 本当にやりかねないので、メールで立花さんに警告しておく。直ぐに対処法は考えがあると返事がきた。大丈夫だろうか。


 その後、仕事をしていると、悲鳴と共にパチーンと小気味良い音が聞こえた。皆が何事かと、音のした方を見ると、手を振り抜いた格好の立花さんと、頬を押さえて膝から崩れている足立がいた。


「ご、ごめんなさい。私急に後ろに人に立たれると、すっごく怖くて・・・昔、痴漢にあった事があって。触られそうになったから、思わず手が出ちゃったんです。まさか、足立主任とは思わないで。・・・大丈夫ですか?」


 膝立ちのまま、頭をフラフラしている主任。どうやら、顎にクリーンヒットしたようで脳震盪を起こしているようだ。ナイススイング。


 立花さんは返事の無いに事に不安になり、足立の肩を揺すろうとしている。それは流石に不味い。


「立花さん、ストップ。軽い脳震盪を起こしていると思います。揺らさない方がいいです。田中君、給湯室からビニール袋に氷を入れて持ってきて。」


 俺は直ぐに駆け寄り、足立の頭を固定したまま、仰向けに寝かせた。


「あだちしゅにーん!聞こえますかー!しゅにーん!」


 意識があるか声を掛けると、「うーん。」と曖昧な返事が返ってきた。


「ポニーのアリサちゃんからスマホに返事きてますよー!」


 起きそうなフレーズを適当に言ったら、カッと目を見開いた。体を起こそうとしたので、肩をグッと押さえて起きれないようにする。


「急に起き上がったら危険です。主任、躓いて机の角で頭打ったんですよ。覚えてます?」


 丁度、田中君が氷を持ってきてくれたので、後頭部に当てる。脳震盪を起こした時は頭を冷やすといい。


「あ、え?そうだっけ?なんか頬が痛いけど・・・」


「倒れた時に打ったのかもしれませんね。頭打って軽い脳震盪起こしているので、今日は帰って安静にしてたほうが良いですよ。課長良いですか?」


「うん、しょうがないね。少し休憩してなんとも無かったら帰宅しなさい。くれぐれも遊びに行ったりしてはダメだよ。君は実家暮らしだったね。気分が悪くなったら迷わず救急車を呼んで貰いなさい。」


 足立は首を傾げながら帰っていった。


お読みいただきありがとうございます。評価・ブックマーク頂けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ