表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢だと思っていたら現実だった件 ~死にたくないのでソウゾウリョクを駆使して全力で抗います~  作者: 神子島 航希
第2章 動き始める日常

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/111

10.帰宅

「あら、ちょっと話し込んじゃたわね。邪魔してごめんね。」


「いえ、良い気分転換になりました。それに、後は全体を見直せば終わりだったので直ぐに終わります。」


「そうなの?なら私も終わるし、ちょっと飲んで帰る?」


「すいません。昨日も飲んで実家に泊まったので、今日は車で帰らないとなんです。」


「あら、残念。愚痴でも聞いて貰おう思ったのに。彼女?」


「彼女なんていませんよ。家庭菜園してるんですけど、流石に2日も水遣りしなかったら不味いので。」


「・・・そ、そう。それは帰らないといけないわね。なら今度、足立被害者の会でも開きましょうか。」


「あ、良いですね。皆で愚痴を言い合って憂さ晴らししましょう。」


「じゃあ、続きをしちゃうわ。運転気をつけてね。」


「ありがとうございます。」


 立花さんが自席に戻るのを見送り、作業の続きを始める。と、いっても、先程言ったように最終確認だけなので10分もすれば終わる。


 変な不具合が無い事を確認して、施工者にメールで図面データを送る。デスクの上の資料を片付けて帰り支度を済ませ、立花さんに声を掛けて事務所を出た。


 電車に乗って気が付いたが、立花さんを送った方が良かったか。真由の「お兄!そう言うとこがモテないんだぞ!」と声が聞こえてきそうだが、今更である。


 実家に帰り着き、母親に一声掛けて冷蔵庫からタッパーを取る。混ぜご飯と煮物のようだ。ありがたい。


 母親に礼を言い、自宅へと車を走らせる。段々と街灯が少なくなり、暗くなる幹線道路を愛車のシエンタで走りながら、今日立花さんが言っていた事を思い出す。


『私は別の意味で苦手。直ぐ飲みに行こうって誘ってくるし、理由を付けて触ってこようとするし。女子社員、皆嫌がってるわ。』


 足立のセクハラ。立花さんは苦手で済ませていたが、これが明るみに出れば、流石に足立も終わりだろう。それと同時に会社もダメージを受ける。立花さんはそれを懸念していた。


 ふと、この事を課長は把握しているのか気になった。


 あの人なら把握しているだろうなと漠然と感じた。把握していて放置するだろうか。会社へのリスクと天秤に掛けて放置している?


 いやいや、そんな人では無い。何か対策しようとしているか?状況も分からず、しゃしゃり出て邪魔をするのは不味いか。


 そんな事を考えながら運転をしていたら、自宅へと帰り着いた。とりあえず明日、立花さんに「何かあれば協力します。」とメールしておこう。


 車から降りて、家庭菜園を確認に行く。特に変わりはなさそうなので、軽く水遣りをして、熟したミニトマトときゅうりを収穫して家に入る。


 もう遅いのでシャワーだけ浴びて、貰ってきた煮物をレンチンする。混ぜご飯は冷蔵庫へ。明日の朝食用だ。


 待っている間に、きゅうりを洗って乱切りにして、ビニール袋に塩昆布と一緒に入れて揉み込み、小皿に盛る。お手軽おつまみの完成だ。ミニトマトは洗ってそのまま盛る。


 冷蔵庫から糖質ゼロのビールを取り出し、晩御飯と共にリビングのテーブルに準備する。


 ニュース番組を見つつ、チビチビと晩酌しながらツマミに煮物とツマミを食べる。


 一通り、今日のニュースを見終えたら丁度ビールも無くなったので、片付けをして寝る事にする。


 ベッドに入って魔力循環を確認する。昨日より大分スムーズに流れるようになっている。後2日も続ければ、イスタール(むこう)にいた時くらいのスピードで循環できそうだ。


 そう言えば、もうイスタール(むこう)には行けないのだろうか。不便だし危険な世界だが、まだ何処にも行けていない。生活改善計画も中途半端だし、俺の意識が無かったらリノはどうなるんだ?


 もし、定期的に行き来できるとすればどの位の間隔なんだろう。俺の記憶では6日間向こうに居たと思う。そうすると、6日=7時間なのか?

 土曜の夜にまた向こう行くのだろうか?


 この辺りも莉緒と情報共有しておこう。

 今、疑問に思った事をスマホにメモして莉緒に送る。


 時計を見ると良い時間になっていたので、魔紋に魔力を流して意識を手放した。


 おやすみなさい。


お読みいただきありがとうございます。評価・ブックマーク頂けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ