6.魔法・魔術考察
「うーん、私のイメージだと魔法はオートマチックで、魔術がマニュアルかなぁ?」
「あぁ、よくあるね。」
「魔法が簡単な呪文で発動する代わりに、威力は誰が唱えても一緒って設定だねぇ。魔力の過多で威力が上がるって設定もあるけど、それは魔術が無い設定だったりするよねぇ。魔術は複雑な呪文や魔力で描く紋章で発動するって設定かなぁ。こっちは大体、威力自由だったりするよねぇ。」
「あと、魔法でも魔術でもイメージ力で発動出来たりとかもあるよね。物理法則とか、科学的根拠を知ってる転生者とか転移者が高威力出せる設定。」
「ラノベとか多いですよねぇ。ゲームだと魔法が殆どですかねぇ。」
「ゲームだとコマンド選択になるからね。あ、なら逆に音声認識で複雑な呪文を唱えれば、高威力出せる魔術師を作ってもいいか。」
おーい、話が脱線してきてるぞぉ。
「MMOなんですからそれもありですね。手数の魔法使いと、固定砲台の魔術師。タンクの腕の見せ所ですね。でもソロが出来ないと不遇扱いに・・・」
「そこは、従魔とかペットを・・・」
ダメだ。完全に別の話になっている。ま、楽しそうだからいいか。これ以上聞いていても、新しい情報は得られないだろう。寝るか。
「俺は明日、朝早いからもう寝るぞ。自分の部屋使うからな。」
「良いよー。莉緒ちゃんは私の部屋で一緒に寝るから。」
「あ、先輩、おやすみなさい。考察が纏ったら連絡します。」
2階の元自分の部屋に入る。2年前、地元熊本の営業所に異動になった際、暫く使っていたが、直ぐに今の家に引っ越したので、私物は全て其方に持って行った。今は子供の頃使っていた勉強机とベッドくらいしか無い。
偶にコチラに泊まっているので、布団は干してくれているようでフカフカだ。
ベッドに潜り込んで、先程の2人の話を思い出しながら自分なりに考察してみる。
魔法はオートマチックと2人は言っていた。魔力の流れを意識しながら生活魔法の魔法呪文を唱えてみる。
【光源】
魔力溜りから、一定の魔力が掲げていた左手に高速で流れ、掌から放出されたと同時に、放出された魔力が白熱灯程の光を放つ。明るくなれと念じるが、光量は変わらない。逆に消そうと思うと、すぐに消す事が出来た。
次に魔力溜りにある魔力を、先程の倍程度だけ残して、他を身体中に循環させておく。
魔力溜りにある魔力を全部使うつもりで、魔法呪文を唱えてみる。
結果は先程と同じ魔力量を使っての魔法の発動だった。
次は、魔力溜りの魔力も循環させて、魔力溜りにある魔力を3以下にして魔法呪文を唱えてみた。
すると、今度は循環している魔力が、魔力溜りに3溜まるまで魔力を留めて、貯まったら発動した。
この結果から、生活魔法は魔力溜りにある魔力を使って魔法を発動するというプログラムが組まれているようだ。
よくよく考えると、結構高度なシステムだよな。魔力溜りにある一定の魔力を計測して、取り出し、高速で任意の場所まで移動させて、事象を起こさせる。
これだけの事を、一言の呪文で行っているのだ。これを考えた人は天才だろうか。
兎に角、今考察した事をスマホにメモする。時間を見ると結構良い時間なので、魔力を一気に魔紋に流して寝る事した。おやすみなさい。
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